五木寛之著小説「親鸞」第三部「完結篇」ついに文庫化!

─小説『親鸞』の連載をおえて─〝虚構と史実の狭間に〟五木寛之  いつか親鸞を小説に書くことがあるのではないか、と予感したのは、四十年以上も前のことだった。新人の作家として、まだ金沢に住んでいた頃である。『文學界』という雑誌に、清沢満之について短い文章をのせた。そのとき、親鸞という人物を小説にしてみたいと、ひそかに思ったのだった。  そのまま時が過ぎて、『蓮如』という戯曲を書いた。そこから小説『親鸞』までは、自然のなりゆきといったほうがいいだろう。  私が意図したのは、時代の群像の中に親鸞を描くことだった。それは伝記でもなく、評論でもなく、まして研究でもない。どこまでもしようせつ小説はいし稗史と呼ばれる大衆的な物語りである。 「しんらん」という人がいたのだ、と多くの人びとに知ってもらっただけでも、私は十分に仕事をした甲斐があったと思っている。

『親鸞』

馬糞の辻で行われる競べ牛を見に行った幼き日の親鸞。怪牛に突き殺されそうになった彼は、浄寛と名乗る河原の聖に助けられる。それ以後、彼はツブテの弥七や法螺房弁才などの河原者たちの暮らしに惹かれていく。「わたしには『放埒の血』が流れているのか?」その畏れを秘めながら、少年は比叡山へ向かう。

『親鸞(上)』
著者: 五木寛之
ISBN:978-4-06-291000-2
定価:本体1,500円(税別)

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講談社文庫『親鸞 青春篇(上)』
著者: 五木寛之
ISBN:978-4-06-277060-6
定価:本体562円(税別)

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親鸞は比叡山での命がけの修行にも悟りを得られず、六角堂へ百日参籠を決意する。そこで待っていたのは美しい謎の女人、紫野との出会いだった。彼が全てを捨て山をおりる決意をした頃、都には陰謀と弾圧の嵐が吹き荒れていた。そして親鸞の命を狙う黒面法師。法然とともに流罪となった彼は越後へ旅立つ。

『親鸞(下)』
著者: 五木寛之
ISBN:978-4-06-291001-9
定価:本体1,500円(税別)

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講談社文庫『親鸞 青春篇(下)』
著者: 五木寛之
ISBN:978-4-06-277061-3
定価:本体562円(税別)

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『親鸞 激動篇』

京の都を追放された親鸞は、妻・恵信の故郷でもある越後の地に流されていた。一年の労役を済ませようとしていたころ、地元の民に崇められ、生き仏を称する、外道院の行列に出くわす。まるで世の中がひっくり返ったような、貧者、病者、弱者が連なる光景に、親鸞は衝撃を受ける。文字を知らぬ田舎の人びとに念仏の心を伝えよとの、法然上人の言葉が脳裡に去来し、親鸞は外道院と対面することを決意するが──。

『親鸞 激動篇(上)』
著者: 五木寛之
ISBN:978-4-06-291006-4
定価:本体1,500円(税別)

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講談社文庫『親鸞 激動篇(上)』
著者: 五木寛之
ISBN:978-4-06-277571-7
定価:本体562円(税別)

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雨乞いの法会を何とか切り抜けた親鸞は、外道院と袂を分かち、恵信らと平和な日々を迎えていた。越後で施療所を開設し、訪れる多くの人びとの相談を聞いた。やがて、法然上人が許されたという吉報にも接するが、親鸞は京へ上ることをためらい、そのうちに訃報が届く。「わたしは、独りになった。自分自身の念仏をきわめなければならない」。新たな決意をした親鸞の下に、関東からの誘いがかかったのはそんな折だった──。

『親鸞 激動篇(下)』
著者: 五木寛之
ISBN:978-4-06-291007-1
定価:本体1,500円(税別)

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講談社文庫『親鸞 激動篇(下)』
著者: 五木寛之
ISBN:978-4-06-277572-4
定価:本体562円(税別)

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『親鸞 完結篇』

帰洛して9年が過ぎた。親鸞は西洞院で長男の善鸞らと暮らしていた。事件が起きる。船岡山の怪僧・覚蓮坊が、善鸞をそそのかして親鸞が手掛けていた『教行信証』を盗み出そうとしたのだ。だが、白河印地の党の活躍で覚蓮坊は敗れ、なんとか書を取り戻すことができる。その後、善鸞は親鸞の後継者になるべく唱導の道をめざす。親鸞は東国や西国への専修念仏の広がりに不安を抱きつつも、さらに10年の月日が過ぎていった。

『親鸞 完結篇(上)』
著者: 五木寛之
ISBN:978-4-06-291009-5
定価:本体1,500円(税別)

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講談社文庫『親鸞 完結篇(上)』
著者: 五木寛之
ISBN:978-4-06-293351-3
定価:本体620円(税別)

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弟子の唯円が東国から戻り、東国における教えの乱れを報告する。親鸞は自ら東国に赴こうとするが、唯円や娘の覚信に押しとどめられ、代わりに善鸞が東国へと旅立った。唱導によって当初は成功を収めるものの、親鸞面授の弟子たちとの軋轢を生み、親鸞を悩ませる。他方、都では、女借上・竜夫人が建立した遵念寺の落慶法要が営まれようとしていた。そこへ覚蓮坊と検非違使が突如現れ、居合わせた親鸞と竜夫人を連行しようとするが!?

『親鸞 完結篇(下)』
著者: 五木寛之
ISBN:978-4-06-291010-1
定価:本体1,500円(税別)

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講談社文庫『親鸞 完結編(下)』
著者: 五木寛之
ISBN:978-4-06-293352-0
定価:本体620円(税別)

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