九年前の祈り 小野正嗣

最新情報

2月5日 TBS「ゴロウ・デラックス」に小野さん出演、直木賞受賞の西加奈子さんと。

2月1日 読売新聞に『九年前の祈り』の書評が掲載されました。評者は岡ノ谷一夫さん。

2月1日 紀伊国屋新宿本店にて小野さんサイン会が行われました。

1月29日 ニッポン放送「大谷ノブ彦 キキマス!」に小野さん出演。

1月25日 朝日新聞に『九年前の祈り』の書評が掲載されました。評者はいとうせいこうさん。

1月23日 「週刊朝日」に『九年前の祈り』の書評が掲載されました。評者は鴻巣有季子さん

1月21日 朝日新聞、大分合同新聞に小野さんの受賞エッセイが掲載されました。

1月20日 読売新聞に小野さんの受賞エッセイが掲載されました。

1月19日 朝日新聞「ひと」覧に小野さんが登場。

1月18日 毎日新聞「ひと」覧に小野さんが登場。

1月17日 TBS「王様のブランチ」に小野さん出演。

1月16日 日本テレビ「ZIP!」に小野さんが出演。産経新聞 「きょうの人」東京新聞「この人」覧に小野さんが登場。西日本新聞に小野さんのインタビューが掲載されました。

1月15日 第152回芥川賞受賞。

1月11日 「信濃毎日新聞」「琉球新聞」他、に『九年前の祈り』の書評が掲載されました。評者は青来有一さん。

1月7日 日本経済新聞に小野さんのインタビューが掲載されました。

九年前の祈り 表紙

三十五になるさなえは、幼い息子の希敏(けびん)をつれてこの海辺の小さな集落に戻ってきた。
希敏の父、カナダ人のフレデリックは希敏が一歳になる頃、美しい顔立ちだけを息子に残し、母子の前から姿を消してしまったのだ。何かのスイッチが入ると引きちぎられたミミズのようにのたうちまわり大騒ぎする息子を持て余しながら、さなえが懐かしく思い出したのは、九年前の「みっちゃん姉(ねえ)」の言葉だった──。

【収録作】
「九年前の祈り」「ウミガメの夜」「お見舞い」「悪の花」

『九年前の祈り』
著者:小野正嗣
定価 : 本体1,600円(税別)

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書店さんから感動の声

みっちゃん姉、希敏、さなえの祈りが重なるときに、時を越えた想いや悲しさがつながり、世界が広がるような感触が伝わってきました。奇跡が起きるわけではないけれど、ただ、そっと寄り添う温かい痛みと悲しさが孤独を癒やすような、さなえが希敏と共に生きていこうとしていくラストが胸に迫ってきました。

(MARUZEN 名古屋栄店 竹腰香里さん)

天使と悪魔の両面の顔を持ち、不器用に生きる人間たち。静寂と喧噪、喜びと悲しみ、善と悪、あらゆる要素は苦しみながらこの世に生まれ落ち、荒波にもまれて溶け合って大きな生命力となる。これぞ「ザ・文芸」。言葉の力、文学の凄みを存分に味わえる作品だ。この豊穣な物語世界の余韻にいつまでも浸っていたいと思った。

(三省堂書店神保町本店 内田剛さん)

九年前の祈りが今につながるその瞬間は、息をのむ程に気高く厳かな美しさに満ちていました。『檸檬』の檸檬が置かれたときのように衝撃的でした。芥川賞受賞ですね。

(スカイプラザ浅野 大宮和子さん)

「母は強い」ということは、多くの人にとって実体験を伴って納得できることではないかと思います、「母親になる」と言う一種の‘悟り“について答えをくれるような小説です。

(明屋書店 安部勇太郎さん)

文章だけで情景が目に浮かびます。いろいろな人間が登場してくるが、みなその奥には純粋な優しさがある、やさしい物語でした。

 (ジュンク堂西宮店 水口真佐美さん)

田舎の閉塞感。人間の意地悪さ。どうすることも出来ない切なさと祈り……。ひたすら苦しい、でも読むのやめられない。この世界にぐいぐい引き込まれました。

(旭屋書店新越谷店 猪俣弘美さん)

この小説がみなさん一人一人のなかの物語と出会い幸福な作品となりますように。小野正嗣

大分県蒲江町(現佐伯市)出身。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学。マリーズ・コンデを論じた博士論文でパリ第8大学Ph.D。2001年、「水に埋もれる墓」で第12回朝日新人文学賞受賞。2002年、『にぎやかな湾に背負われた船』で第15回三島由紀夫賞受賞。同年、第一回東京大学総長賞受賞。2006年に東京大学教養学部助手、2007年に明治学院大学文学部専任講師に就任(現代フランス語圏文学)。2013年准教授。2014年立教大学文学部文学科文芸・思想専修准教授。その他の著作に『森のはずれで』『マイクロバス』『線路と川と母のまじわるところ』『浦からマグノリアの庭へ』『夜よりも大きい』『獅子渡り鼻』など多数。本作『九年前の祈り』で第152回芥川賞受賞。