講談社BOOK倶楽部

吾輩ハ猫ニナル 横山悠太

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8月24日 「東京新聞」に横山悠太著『吾輩ハ猫ニナル』の書評が掲載されました。評者は中俣暁生さんです。「本作はパロディーという形式による一種の漱石論、さらには漱石を『国民文学』とみなしてきた旧来の日本文学への軽妙な批判とみなすこともできる」と評されています。

8月24日「日経新聞」にて、横山悠太著『吾輩ハ猫ニナル』の書評が掲載されました。「漱石のデビュー作のタイトルをもじったこの小説は、日本語と中国語が混ざり合ったユニークな文体で両国の現代文化を風刺的に描く。文豪の精神までも受け継ごうとする意欲作だ」と評されています。

「婦人公論」9/7号に、横山悠太著『吾輩ハ猫ニナル』の書評が掲載されました。評者は豊﨑由美さん!「2つの言語の橋渡しをしている工夫がクレバーなのです」「文学好きなら要チェックの才能です」と紹介されています。

8月19日 「朝日新聞」夕刊で、『吾輩ハ猫ニナル』の著者、横山悠太さんのインタビューが掲載されました。「二つの国と言語を行き来する主人公の『ぐらぐらする感じ』がユーモラスに表現される」と紹介されています。

「群像」9月号に書評が掲載されました。評者は中条省平さんです。書評は群像のHPでも読むことができます。

8月2日「読売新聞」夕刊にインタビューが掲載されました。

7月29日「中国新聞」にインタビューが掲載されました。

7月28日 「産経新聞」にインタビューが掲載されています。

7月27日 「毎日新聞」の「今週の本棚」取り上げられました。評者は中島京子さんです。

「GINGER」9月号のBOOKレビューに取り上げられました。評者は温水ゆかりさんです。

吾輩ハ猫ニナル 表紙

夏目漱石も驚く(?)大型新人デビュー作

上海で育った日中混血の青年、カケル。親元を離れ日々を徒然に暮らしていたが、ビザの更新のため日本に行くことになり、オタクの友人から頼まれたゲームソフトを買うため秋葉原へ辿り着く。その馬鹿馬鹿しくも傑作な結末とは?

――「日本語を学ぶ中国人を読者に想定した小説」、すなわち「カタカナを使わない小説」を書くというコンセプトのもと綴られるカケルの物語は、斬新なルビ使い、日本語と漢語を大胆不敵に混交した文章で、読むものを圧倒します。言語自体を相対化する文章表現、日中現代文化への風刺、漱石や子規他近代文学のパロディなどなど、知的な企みは、新鮮な驚きに満ちています。思わず声を出して笑ってしまうユーモアにも注目してください。「滅法面白い小説」「頭抜けて優れた批評」を一度に堪能できる、真に新しい小説です。

『吾輩ハ猫ニナル』
著者:横山悠太
定価:本体 1,200円(税別)

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選考委員激賞!

――第57回群像新人文学賞選評より

選評 PDF:532KB

著者プロフィール

著者写真

横山悠太(よこやま・ゆうた)
1981年岡山県生まれ。岡山城東高校卒業。
留学生。北京在住。
2014年、本作で第57回群像新人文学賞受賞。

Q.小説を書き始めたのはいつ、どのようなきっかけでですか?
A.2008年だったと思います。何か面白いものが書けそうな気がして、書き始めました。でも、その時は面白いものは書けませんでした。今作は2作目です。
Q.群像新人文学賞に応募しようと思ったきっかけは何ですか?
A.面白いものが書けたと思い、それが果たして評価されるのか、どんな評価をされるのか知りたかったからです。
Q.受賞作を書いたきっかけ、この題材を選んだ理由を教えてください。
A.今度こそ面白いものが書けそうな気がしたからです。この題材を使って小説を書くと、面白いものが書けるかもしれないと思ったからです。
Q.どういう時間に執筆していますか? どんなときにアイディアが浮かびますか?
A.長期休暇の時です。カメラを持って散歩していると、ふと面白いアイディアが浮かぶことがあります。
Q.好きな本(小説、評論)、好きな書き手(作家、評論家)を教えてください。
A.夏目漱石の小説です。
Q.これから群像新人文学賞に応募する人へメッセージをお願いします。
A.天生我材必有用 千金散尽還復来  ― 李白

――第57回群像新人文学賞受賞の言葉より

受賞の言葉 PDF:215KB

全国の書店員さんからの応援メッセージ!
現代中国のリアルな漢語を使うことで、漱石らの明治文語文に匹敵する平成漢語文ともいうべき文明語を見た感じがする。『猫ニナル』の部分は筒井康隆のようだ(ジュンク書店大宮店 江原さん)
クライマックスに向けて、思考の3割くらいが爆笑しつづけていました。ケッサク!!(オリオン書房ノルテ店 辻内さん)
言葉の異化と同化が織りなす愉悦。外からの視点を、そのまま内にもちこむことで、異化させる真新しい手法に瞠目。文化論のようでもあり、言語学のようでもあり、または言葉でもある(蔦屋書店三年坂店 山根さん)
見慣れない文体を見ていると、何だか新しい表現に出会えたような不可思議な友人に出会えたような気持ちになりました(宮脇書店本店 藤村さん)
今まで読んだことのない小説です!!ひたすら面白く楽しく読ませて頂きました。この発想力と表現力、すごい作家さんが出現しましたね!!(丸善 名古屋栄店 竹腰さん)
軽妙なリズムに、絶妙な文体。理屈抜きの面白さ!! これほど人を食った作品はないだろう。(骨までしゃぶられたような思いがする。)今年度、最大の収穫といって過言ではないーー。この才能の出現に心底ゾッとした(三省堂書店 神保町本店 内田さん)
文学の始まりから、未だ見ぬ地平へ突き抜けた傑作!(天牛堺書店 光明池店 中目さん)
カタカナ多用の今どきの小説よりも中国混じりのこの小説の方が、するすると頭に入ってくる不思議(明正堂 NTT上野店 金杉さん)
ほとばしる言葉との戯れ。カケル、確かに君は猫になったよ(書泉ブックマート 山田さん)
コペルニクス的転回とは、まさにこのことだと思いました(ジュンク堂書店 那覇店 小野さん)
初の二ヶ国語小説!? 不思議な魅力あふれるさわやかな作品でした(ルーブル1980 北田さん)