講談社BOOK倶楽部

『産む、産まない、産めない』甘糟りり子

「出産が女の人生のすべてとは考えないようにしませんか」(本文より)

『産む、産まない、産めない』表紙

『産む、産まない、産めない』
甘糟りり子
定価:本体1,500円(税抜)

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  • 「最後の選択」出世と出産、あなたならどちらを優先させますか?予想外の妊娠に揺れる、四十歳の選択とは
  • 「ポトフと焼きそば」血の繋がらない息子と実の娘との距離感。ステップ・ファミリーという新しい家族の形
  • 「次男坊の育児日記」増えているとはいうものの、男性の育児休暇はまだまだ少数派。いざ申請すると、どんな毎日が待っているのだろうか
  • 「コイントス」老舗の呉服屋に嫁いだ日から、跡継ぎを産む、というプレッシャーがはじまった。不妊治療を受けるものの……。
  • 「温かい水」お腹の中の我が子の心音は止まってしまった。大きな悲しみに飲み込まれそうになる夫婦たち。
  • 「花束の妊娠」高校在学中に産んだ娘が、同じように十六歳での妊娠。シングルマザーのとまどいと決意の物語。
  • 「レット・イット・ビー」兄夫婦に産まれた子供には染色体異常があった。
  • 「昨日の運命」親友同士、一人は未婚の母に、妊娠を望んでいたもう一人は子宮がんになる。友情の行方は。
  • ──切実な話題を切り取って、「女性の選択」を考えさせる八つの物語

ヨモウカフェ課題図書「産む、産まない、産めない」

六本木のカフェで開催されている読書会「ヨモウカフェ」。第12回の課題図書は、甘糟氏自著の『産む、産まない、産めない』だった。担当編集者も交えて読者と語り合い、締めには甘糟氏の朗読も!《協力/ucafe(ウカフェ)》

ヨモウカフェ課題図書『産む、産まない、産めない』
②ゲストからの質問コーナー

ヨモウカフェ課題図書『産む、産まない、産めない』
③著者・甘糟りり子の朗読

対談 甘糟りり子×白河桃子

「女性の選択」について新作を書いた甘糟氏と「妊活」の言葉を生んだ白河氏。結婚や出産、育児、就職など女性に関わるテーマについて、二人が語り合った。

白河桃子・齊藤英和 著『「産む」と「働く」の教科書』好評発売中!

『産む、産まない、産めない』対談
① 女性に「なるべく働いてほしい」 甘糟りり子×白河桃子 「産む」という女性の選択

『産む、産まない、産めない』対談
②国のために産むわけではない 甘糟りり子×白河桃子 「産む」という女性の選択

『産む、産まない、産めない』対談
③本の中で気になったこと 甘糟りり子×白河桃子 「産む」という女性の選択

『産む、産まない、産めない』対談
④自由を使いこなせるかどうか 甘糟りり子×白河桃子 「産む」という女性の選択

『産む、産まない、産めない』対談
⑤セクハラの芯は女性にもある 甘糟りり子×白河桃子 「産む」という女性の選択

『産む、産まない、産めない』対談
⑥劣等感でも優越感でもなく 甘糟りり子×白河桃子 「産む」という女性の選択

甘糟りり子『産む、産まない、産めない』スペシャル・インタビュー

雑誌掲載から単行本化までに時間がかかった理由や、今回の作品を書くきっかけになったことなど、本が発売になって改めて感じたことを、著者・甘糟氏が思いをこめて語った。

『産む、産まない、産めない』インタビュー
①女性に働いてほしいという世の中の 流れについて/読者の反応から感じたことは?/甘糟りり子

『産む、産まない、産めない』インタビュー
②雑誌掲載と単行本化の間にブランクがありましたが/甘糟りり子

『産む、産まない、産めない』インタビュー
③男性に向けて、女性に向けて/取材を通して感じたこと/甘糟りり子

著者メッセージ

これまでに何作か、「もう若くない女性たち」の物語を書いてきました。彼女たちを描く時、避けられないのが「出産」についてです。
年齢を重ねると、産むにせよ産まないにせよ、大きな選択をしなければならない。たとえ、「産む」を選んだとしても、思い通りにならないこともある。正直にいえば、そのほうが多いというのが実感です。四十代前後になり、会社で責任のある立場を任されると同時に、産まない選択をした女性をたくさん見てきました。産めないことで、家族との関係がぎくしゃくした人の声も聞きました。
出産だけが女性の幸せの最終形ではないし、もちろん、産んだ後にいろんな葛藤もあるでしょう。正解はひとつではない。というより、正解なんてないのかもしれません。
そんなことを考えながら、八つの物語を書きました。出産経験のない私が、こういうテーマを書くのは怖い気持ちもありましたが、どうしても書いておきたかった。
手にとっていただけたら、嬉しいです。(講談社BOOK倶楽部メルマガより)

甘糟りり子(あまかす・りりこ)

1964年、神奈川県生まれ。玉川大学文学部英米文学科卒業。
ファッション、グルメ、映画、車などの最新情報を盛り込んだエッセイや小説で注目を集める。『中年前夜』では、中年モラトリアム世代の心情を描いて話題に。近著に、『逢えない夜を、数えてみても』『エストロゲン』『オーダーメイド』『穴のあいたバケツ』『ミ・キュイ』『長い失恋』など。

ぞくぞく届いた、全国の読者からの真剣な感想

いちばん大事なことがハラで決まっていれば、あとは全てが二番目以降。そんな当たり前のことに気づかされた。彼女たちに言いたい。産んでも、産まなくても、産めなくても、あなたたちはカッコイイ!(神奈川県・40代女性)
ある程度の年齢を過ぎると、この話題は親しい友人とも、気軽に正直に話すことが難しくなります。そういう話せなかったことや聞けなかったことが、八つの短編小説になっています。全編を読んでみて、自分の選択が間違ってはいなかったと、心がスッと落ち着きました。(千葉県・40代女性)
八つの短編、それぞれの状況に自分を重ねて置いてみると、胸が痛く、苦しくなります。悩みに悩み抜いて、自分なりに結論を出し、割り切っていく彼女たちに、尊敬の念を覚えずにはいられません。読み終えたあと、タイトルを見て、涙があふれでてきました。(東京都・10代女性)
女性ってなんでこんなに面倒で思い通りにいかないのだろう。でも、身体を張った決断をする女性たちのすべては美しく強い。え? これって実際にあった話なの? と思わずにはいられない、リアルな彼女たちの心の叫びと涙が響く。(東京都・50代女性)
この本は、妊娠や出産に悩むすべての女性の力になってくれる本です。また、すべての男性にも読んでほしい。そして、辛い時を二人で乗り越えてほしいと思います。(大阪府・20代男性)
とても繊細で正しい答えのないテーマですが、産むこと、生まれたことの尊さに触れ、読み終えたあと「ありがとう」と素直に言える気がします。(青森県・30代女性)
久々に衝撃を受けた内容でした。一気に読み、読み終わってしばらく、今までとこれからの、自分の女としての人生について考え込んでしまいました。(青森県・20代女性)
どの主人公にも感情移入して一緒になって考えて、だから涙が自然に出てきました。女性として、妻として、パートナーを持つ人間として、その人生の幅や選択肢を改めて考えさせてくれる本です。(東京都・20代女性)
どちらを選んでも正しい道なのだから、自信を持って選びたいほうを決めて生きていいのだと、彼女たちが語ってくれているような気がしました。悩んで決めてしなやかな強さを手に入れていくのだと思いました。(福岡県・40代女性)
「産む」ことに対する葛藤は乗り越える価値のある物だということが描かれている。怖がらなくていい、というメッセージが、あらゆる角度から女性たちに向けられていると思った。(奈良県・20代女性)
このような深い内容とは思わず、読んでいてとても苦しかったです。涙を何度も流し、読む手を止めて、考え込んで。誰かに薦めたいかと聞かれたら、親友ですらリアルすぎて難しいかもしれないと思いました。(愛知県・30代女性)
現代の多様な生活様式に即して、悩みを抱える彼女たちの選択。正しい答えはないのかもしれません。それでも決めて、あるいは受け入れるのは世間じゃなく、自分自身。精一杯自分の道を歩むことの大切さを感じさせる一冊でした。(奈良県・30代女性)
同じ女性として切実に、真剣に出産に向き合う主人公たちを見て、読んでよかったと思えた。そして、産むのは女性だが、男性にも読んでほしいと思った。最後に、すべての女性はしなやかで強い。改めて、感じた。(山梨県・30代女性)
妊娠できる年代の女性なら、必ずこの小説のなかに“自分”を見つけられるでしょう。そして、周囲に妊娠できる女性がいる男性に、一度は読んでみてほしい小説です。(東京都・30代女性)
この小説の中には、なかなか妊娠できない女性が登場するが、その家族のやりとりが心に響いた。24歳になった我が娘にも、この小説を読んでほしいと心から思う。(東京都・50代女性)
女性には、産むか産まないかの二つの選択肢しかないと思っていたけれど、「産まない」現実と「産めなくなる」未来もあるんだと、改めて思いました。(岐阜県・40代女性)
この本では妊娠にかかわる物語が鮮明に書かれており、特に妻は本当に登場人物の気持ちがわかると言っていました。いろいろな苦難を子供も乗り越えてきたのだと、この本を読んで改めて感じました。(大阪府・30代男性)
あたたかくも冷静な筆運びに、これから訪れるかもしれないいくつもの選択に、向き合っていく力の在りかを教えてもらえたような気がした。(埼玉県・20代女性)
この小説に出てくる女性たちも“産む”ことに関わることを決めたとたん、皆強くなっていくように感じた。たくましく美しかった。それは母性のひとつなんだろうか。命と向き合う覚悟を決めるということなんだろうか。(大阪府・30代女性)
どの物語も女性が母になった時の強さが共通して描かれていると思いました。女性だけでなく、いろんな世代の男性にも読んでもらいたいと思いますし、子供と接することや家族を形成していくことを実感できる内容だと思います。(東京都・30代男性)