「タワー」の349階に暮らす、髪の長い痩身の少女は、ママと呼ばれる養育ロボットに育てられ、これまでタワーを出たことがない。少年も、灰色のか細い棒のようだ。どこもかしこも氷でできている薄暗い世界で、たくさんの「おとうさん」に育てられている。ふたりは、期せずして「ドーム」に乗り、湖に招かれる。そこでふたりを待っていたものは……。
美術監督。武蔵野美術大学油絵学科卒業。映画美術監督として、日本、中国、アメリカなどで国際的に活動する。『スワロウテイル』(岩井俊二監督)『THE有頂天ホテル』(三谷幸喜監督)『フラガール』(李相日監督)『空気人形』(是枝裕和監督)など多数の日本映画のほか、チャン・イーモウ監督、キアヌ・リーブス監督、クエンティン・タランティーノ監督などの作品を手がけた。アニメーション作品には、『イノセンス』(押井守監督)ではじめて関わり、『思い出のマーニー』(米林宏昌監督)では美術監督をつとめた。著書に、『どこか遠くへ』(小学館)『ジブリの世界を創る』(角川書店)『伝説の映画美術監督たち×種田陽平』(スペースシャワーネットワーク)などがある。芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章を受けている。
作家。早稲田大学第一文学部卒業。映画、テレビドラマの制作会社勤務を経て、映画、テレビドラマのノベライズ、関連書籍などの仕事を手がけてきた。