『スターダストパレード』小路幸也

『スターダストパレード』表紙

『東京バンドワゴン』の著者が描く極上のハートフル・ミステリー

元暴走族のヘッド・マモルが刑務所から出所した日に、彼を無実の罪で逮捕した刑事・鷹原が迎えにきた。
鷹原は、母・ジョゼットを不審な死で亡くした少女・ニノンが何者かに狙われているため、三重にいる鷹原の元妻・美里のところへ連れていくようマモルに依頼。マモルに去来する美里との過去と想い――。
マモルとニノンは無事に辿り着けるのか? そしてジョゼットの死の真相とは?

『スターダストパレード』
著者:小路幸也
定価:本体1,400円(税別)

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ご無沙汰しています。小路幸也です。

久しぶりに故郷である講談社さんから本を出していただけることになりました。しかも〈メフィスト〉での初連載作品です。物語の時代は八〇年代。元暴走族のヘッドだった〈マモル〉が刑務所から出所する場面から始まります。

かつて親とも、あるいは兄とも慕い、ある理由から自分を刑務所に追いやった鷹原刑事の出迎えを受けた彼は、その場でハーフの少女〈ニノン〉と引き合わされます。どうした理由からか言葉を発せない幼稚園児のニノン。鷹原はマモルに言います。

「この子を、守れ」

不可解なニノンの母親の死、ニノンを追う尾行者、その陰にうごめく政治家や警察やヤクザ。マモルはニノンを連れ田舎に向かい、鷹原は自らの進退を賭けて事件を追います。

泥水の中を這うような生活の中でも失わなかった、それぞれの胸に微かに残る光だけを頼りに。

タイトルは『スターダストパレード』にしました。どうぞよろしくお願いします。

小路幸也(しょうじゆきや)

1961年、北海道生まれ。広告制作会社退社後、執筆活動へ。2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむpulp-town fiction』で第29回メフィスト賞を受賞して、デビュー。ドラマ化もされた『東京バンドワゴン』シリーズで人気を博す。近著に『札幌アンダーソング』『スタンダップダブル!甲子園ステージ』『すべての神様の十月』『ビタースイートワルツ』などがある。

ドラマ化もされた「東京バンドワゴン」シリーズが有名な小路幸也さんは、ご存知のように「メフィスト賞」でデビューしました。その小路さんが久々に「ホーム」に戻って、縦横無尽に物語を紡いだのが本作です。母を亡くし、言葉を失った美少女を匿う元暴走族のヘッド。謎とスリルに溢れながら、ハートフル。「メフィスト賞作家」の本領を発揮した極上のエンタメ作を、ぜひともお楽しみください!