「生命力」の行方――変わりゆく世界と分人主義 平野啓一郎

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撮影:松蔭浩之

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平野啓一郎(ひらの・けいいちろう)

1975年、愛知県生まれ。北九州市で育つ。京都大学法学部卒業。98年、「日蝕」でデビュー、同作で第120回芥川賞を受賞。2009年、『決壊』で芸術選奨文部科学大臣賞新人賞、『ドーン』で第19回bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。ほかの著書に『葬送』『高瀬川』『滴り落ちる時計たちの波紋』『顔のない裸体たち』『あなたが、いなかった、あなた』『かたちだけの愛』『透明な迷宮』などがある。近年では長編小説『空白を満たしなさい』、現代新書『私とは何か――「個人」から「分人」へ』で提唱した「分人」というアイデンティティ観が幅広い分野で注目されている。

私たちは、社会の多様性に応じて、幾つもの分人を生きている。好むと好まざるとに拘らず、私たちは分人化する。そして、自分がどの分人をより多く生きたいか、その比率を常に考えている。「生命力の移動」は、私たちの内なる多様性に於いても生じている。その行方に目を凝らし、この世界の生命力の移動との接点を探すことで、明日のために、今日、具体的にすべき行動が見えて来るだろう。 ――「あとがき」より

表紙

『「生命力」の行方――変わりゆく世界と分人主義』
著者:平野啓一郎
定価 : 本体1,800円(税別)

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今、何が起きているのか? 私たちはこれからどこへ向かうのか?未来を考えるためのエッセイ&対談集

複雑化する現代社会で「生きづらさ」を抱える人々に、新しい人間観「分人主義」を提示して大きな反響を集めた作家・平野啓一郎。7年ぶりのエッセイ&対談集となる本書では、同時代の政治・経済・社会から文学・アート・エンタテインメントまで、多様な現実の事象を読み解く評論エッセイ、および各ジャンルの第一人者との対話を併せて収録。いわば平野自身による「分人主義」実践篇であり、様々な場面で、様々な視点で、様々な人と共に「今」を考え、未来へのヒントを提供する、待望の一冊。

【エッセイ内容】
アバター、AKB、キャプテン翼、マイケル・ジャクソン、ファスト・ファッション、熟年離婚、ゴミ御殿、ジャレド・ダイアモンド、「英霊」、震災、監視社会、携帯メール、電子書籍、スノーデン情報、森村泰昌、森山大道、深澤直人、横尾忠則、三島由紀夫、田中慎弥……ほか

【対談者】
大澤真幸(社会学者)、亀山郁夫(ロシア文学者)、高橋源一郎(作家)、田中裕介(英文学者)、中島岳志(政治学者)、古井由吉(作家)、三浦雅士(文芸評論家)、森達也(作家・映画監督)

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  • 目次
  • まえがき
  • エッセイ
  • 対談

平野啓一郎の好評既刊

空白を満たしなさい

『空白を満たしなさい』
定価 : 本体1,600円(税別)

世界各地で、死んだ人間がよみがえる「復生者」のニュースが報じられていた。
3年前に自殺した36歳の会社員、土屋徹生もその一人だ。自分はなぜ、死を選んだのか? 失われた記憶を探る中で、彼は人が生きる意味、そして自分とは何かを見出していく――。生きづらい時代を生き抜くための新たな人間観「分人主義」を提示して大きな反響を呼んだ傑作長編小説。

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私とは何か――「個人」から「分人」へ

『私とは何か――「個人」から「分人」へ』
講談社現代新書
定価 : 本体740円(税別)

「本当の自分」はひとつじゃない!小説と格闘する中で生まれた、まったく新しい人間観。嫌いな自分を肯定するには?自分らしさはどう生まれるのか?他者と自分の距離の取り方は?恋愛・職場・家族など人間関係に悩むすべての人へ贈る、新たな人間理解の書。

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ドーン

『ドーン』
講談社文庫
定価 : 本体876円(税別)

2033年、人類初の火星探査に成功し、一躍英雄となった宇宙飛行士・佐野明日人。しかし、闇に葬られたはずの火星での出来事が、アメリカ大統領選を揺るがすスキャンダルへ。「分人」という概念を提唱し、人間の希望を問う Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作。

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