『夏のキグナス 三軒茶屋星座館』柴崎竜人

『夏のキグナス 三軒茶屋星座館』表紙

嬉しい時も、泣きたい時も、きっとこの場所があなたを待っている。

三軒茶屋にひっそりと佇むプラネタリウム。
店主・和真のもとに、10年ぶりに双子の弟・創馬が帰ってきた。娘だという美少女・月子を連れて。
娘1人にお父さんが2人。奇妙な共同生活が始まった……。

夏が訪れ、星座館にさらに騒々しい面々がやってくる。
”親子3人”の暮らしに乱入する、和真に恋する謎の美女。
そして、家族の秘密の鍵を握る存在が、哀しくも大切な過去を、少しずつひもといていく。

夏の星座の物語は「恋」と「友情」――どこまでも熱く激しく、愛しい。
読めば心躍る、人生讃歌エンタメ小説!

『夏のキグナス 三軒茶屋星座館』
著者:柴崎竜人
定価:本体1,300円(税別)

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  • 大坪和真(おおつぼかずま)星座館店主。33歳、独身。トレードマークは金髪。オープン前、刑務所に入っていた過去がある。
  • 大坪創馬(おおつぼそうま)和真の双子の弟。プロテインが主食のマッチョな物理学者。10年ぶりにアメリカから帰国した。
  • 月子(つきこ)創馬と星座館にやってきた美少女。小学2年生。星座館のアイドルで、白いワンピースを愛用。
  • リリー 常連のオカマ。星座館の一階下でオカマバーを経営する。好みのタイプは創馬という筋肉フェチ。
  • 凪子(なぎこ)水着ガールズバー「モナリザ」で働くキャバ嬢。スタイル抜群と見せかけて実はヌーブラ着用。
  • 奏太(かなた)元野球部の地元高校生。自分の年齢の倍もある女性にフラれ、星座館の押しかけバイトとなった。
  • 葵(あおい)星座館に入り浸るようになった女性。少年のような出で立ちだが、実の正体はアイドル歌手のAOI。
  • ピカ爺 星座館の常連にして、雑居ビルオーナー。会員制釣り堀を経営している。ウーロン茶を愛飲。
  • 谷田(たにだ)常連の不動産屋にして、地元の事情通的存在。ギャンブルと女が生き甲斐の、若作りの40代。
  • 保科(ほしな)六本木のヤミ金業者。奏太をスカウトしようとした際、和真との因縁ができた。趣味はフィギュア。
  • 藍(あい)奏太の同級生。フルート奏者で音大を目指している。母親は星座館の近くで高級イタリアンを経営。
  • 【三軒茶屋星座館】渋谷から東急田園都市線で二駅。三軒茶屋駅の裏手、通称「三角州」に建つひときわ高い雑居ビル。10階建ての7階部分にある、お酒の飲めるプラネタリウム。常設型のドームスクリーンとレンズ式星像投影機を使用。リクライニング式の客席で聞く、店主の星座の解説がウリ。
『ようこそ 三軒茶屋星座館へ』表紙

ようこそ三軒茶屋星座館へ

”親子3人”の奇妙な共同生活が始まる……。
話題沸騰のシリーズ第1弾!

『三軒茶屋星座館』
著者:柴崎竜人
定価:本体1,300円(税別)

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まったく新しく、どこか懐かしい
 『三軒茶屋星座館』はこんな小説です!

その1 ギリシャ神話の「超訳」が彩る、私たちの物語

自分の星座の物語を知ってますか? ゼウスやオリオン、ヘラクレスといった名前は聞いたことがあっても、ギリシャ神話については? 星座館で和真が語るのは、よそでは聞けないその超訳。「千里の道も悪意から」女王・ヘラ、「三度の飯より美女が好き」全天一のトラブルメーカー・ゼウス、など。神といっても、実は彼らはバカで、不器用で、欲深い、どうしようもなく人間くさい存在なのです。はるか昔から語り継がれてきた人の心は、今となにひとつ変わっていない。だから、星座館を訪れる客たちの悩みと重なり合い、新しい物語が生まれるのです。和馬は現代と神話を結ぶ語り部なのです。

その2 現代家族の在り方を問う、新しい「絆」の物語

星座館では、別々に育った双子の兄弟(兄・和真、弟・創馬)と、血のつながりのない娘・月子がともに暮らします。”親子3人”の奇妙な共同生活には、水商売の女性やオカマ、孤独な老人、親と不仲の高校生などが集う。血のつながりとは異なる、いわば疑似家族としての関係性が生まれていきます。ひとつの場所を軸に、悩みや不安、夢と感動を分かち合う。どちらの絆がより深いのでしょうか?

その3 都会であり下町でもある、実在する街の物語

渋谷から二駅。都会でありながら、昔ながらの店や建物が昭和の面影を残す。今と昔が混在する街、それが三軒茶屋。大通りから一歩入れば小さな路地があり、迷路のような異空間が広がる。物語には、街に実在するキャロットタワー、TSUTAYA、穴場の銭湯やバッティングセンターなどが登場し、ガイドのような楽しみも。その風景を思い浮かべながら読み進め、また、読み終えてから三軒茶屋の街を訪れるという新たな味わい方もできます。知っていれば納得、知らなければ必ず行きたくなる、そんな街が舞台です。 三軒茶屋の書店、TSUTAYAと文教堂では「文芸書ランキング」1ヵ月連続1位を記録し、現在もTOP10入りを果たしています! 

大神ゼウスがお送りします 「三軒茶屋星座館」前巻までのあらすじ PDF:742 KB

これぞ星座館の臨場感! 面白くて、簡単で、ためになる――和真の”超訳”ギリシャ神話を一部紹介

――英雄ヘラクレスの試練――

「この十二の試練はヘラクレスの上司であるエウリュテウス王、通称エったんが発注した仕事だった。でも彼の目的は『ヘラクレスを殺すこと』だったから、すべてが命がけのとんでもないミッションなんだ。さて、エッたんが課した二つ目の難業が、『レルネの沼に住んでいるヒドラを退治してこい』というものだった。
ヒドラっていうのはね、まぁ簡単に言うと猛毒を持つ蛇の怪物だよ。あまりに巨大だし、凶暴だし、ふつうに考えたら到底人間が倒せる相手じゃないんだ。エったんは本気でヘラクレスに死んで欲しかったんだね。
『ヒドラ退治とか、もうこれぜったい無理ゲーじゃんよー』
かなりギリギリのところで第一の難業の獅子退治をクリアしていたヘラクレスは、次の相手がヒドラだときいてふて腐れちゃったんだ。もし倒せなかったら、モテないどころか即死だからね。というか、死んだらモテないからね。ひとりじゃ無理だと思ったヘラクレスは『これ、お前も手伝ってくんね?』と甥のイオラオスを巻き込むことにした」
「ヘラクレスの甥?」とこんどは若い女の客が首を捻る。
「そう。詳しくはヘラクレス座のときにも話したんだけど、ヘラクレスには双子の弟がいたんだ。イオラオスはその弟の息子ってわけ。
イオラオスは後輩キャラで、学生時代から上下関係に弱い男だった。
しかもミーハーだから、しょっちゅうメディアに取りあげられてる英雄のヘラクレス叔父さんを大尊敬してる。だから彼なら断らないだろうと思ったんだね。
『ヒドラって言ってもただの蛇だから、チョチョって感じでさ、マジ頼むわ! もし倒したらお前も有名になっちゃうなー、それこそ英雄デビューだなー、叔父と甥っ子でベストジーニストをダブル受賞とか、マジ熱じゃね?』
『マジ熱っす! 激ヤバっす!』
とイオラオスはもうすでに記者会見のことで頭がいっぱいになった。
ヘラ兄ィ、あざっす! 声をかけて頂いて嬉しいっす! この命、好きに使ってやってください!』
なんて、お調子者の甥っ子は景気よく返事する」……以下つづく  (第3章 蟹座より)

「三軒茶屋星座館」と「柴崎竜人」を知るために担当編集Sからの質問状!

  • お名前からきかせてください

    ――柴崎竜人です。

  • 出身はどちらですか?

    ――東京都世田谷区の豪徳寺です。

  • お仕事はなにをしていますか?

    ――あなたと一緒に仕事してるはずなんですが……

  • お仕事の経歴を教えて下さい。

    ――銀行員、バーテンダー、香水も作ってました。

  • どうして今の仕事に就いたのですか?

    ――小説が好きでした。

  • なぜ三軒茶屋を舞台に?

    ――20年近く住んでいる大好きな街だったので。

  • 三軒茶屋はどんなところですか?

    ――都心の田舎。

  • 星座館は実在しますか?

    ――あったらいいなと思う。

  • 小説に登場する飲食店は実在しますか?

    ――実在します。

  • あなたは実在しますか?

    ――しなかったら今あなた何やってるんすか。

  • 好きな飲み物はなんでしょう?

    ――いきなりすか。出し汁です。

  • あなたを動物で言うと?

    ――好戦的な羊。

  • あなたの誕生星座は?

    ――さそり座。

  • では、あなたの好きな星座は?

    ――オリオン座です。

  • 理由は訊きませんがいいですか?

    ――いいけど、その質問いる?

  • ギリシャ神話は好きですか?

    ――好きですよ。

  • なぜですか? ゼウスですか?

    ――決めにかかってますね。

  • 女性のタイプを教えてください。

    ――女王ヘラ以外であれば。

  • イケメンですね。

    ――よく見るとそうでもないです。

  • いい気になってます?

    ――ちょっと待て。

  • 第一巻は三茶の文教堂で10週連続1位ですってね。

    ――またいきなり……ありがとうございます。

  • 三茶のTSUTAYAではTOP5を8ヵ月以上もキープ!

    ――すごく嬉しいです。

  • 第二巻もとても読みやすい小説ですね。

    ――読みやすさはつねに意識して書いていました。

  • でも、実は奥が深い小説ですね。

    ――担当編集っぽくなってきましたね。

  • ギリシャ神話の勉強にもなりますね。

    ――ギリシャ神話の面白さを伝えられればと思っています。

  • いい気になってますか?

    --わかった。お前ちょっと三茶来い。

  • ズバリ、いまの野望は?

    --この質問を終わらせることです。

ご回答ありがとうございました!

いつもより夜空に親しみを感じて頂けたならうれしいです。柴崎竜人

柴崎竜人 Ryuto Shibazaki

1976年、東京都生まれ。
慶應義塾大学経済学部卒業。東京三菱銀行退行後、バーテンダー、コンセプトプランナーなどを経て、作家デビュー。映画「未来予想図 ~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~」、ドラマ「レンアイカンソク」など脚本も多数手掛ける。
2013年12月、二十年住み続けている地元・三軒茶屋を舞台にした小説『三軒茶屋星座館』が大きな話題を呼んだ。
同書はシリーズ第2弾。

柴崎竜人『三軒茶屋星座館』特設サイト

「日経新聞」「毎日新聞」「女性セブン」「ダ・ヴィンチ」「Switch」などで絶賛! 全国の”目利き”から絶賛&応援の声、続々!

日経新聞☆☆☆☆ 「目利きが選ぶ今週の3冊」

文芸評論家 北上次郎さん

人が物語を味わう理由を教えてくれる、物語。生涯かけて読み返したい!

吉田大助さん/ライター

大好きな人へリボンをかけてプレゼントしたい。そんな小説でした♡

まつゆう*さん/クリエイター・ブロガー

淋しさが募る夜にはこの物語を開こうと思う。今年のベスト級の小説!!

松本大介さん/さわや書店フェザン店

人との出会い、絆、そして家族、人生に大事なものを思い出させてくれる。笑って涙して心温まるエンターテインメント!

内山はるかさん/SHIBUYA TSUTAYA

満天の星の下、人間くさいダメな神々の話を聴いていると、悩み事なんかどーでもよくなってくる。きっと。

金杉由美さん/明正堂NTT上野店

うわあっ……すごくいい! ”好き”にも”家族”にもいろいろな形があって、かけがえのない存在になっていく。人生って、素晴らしい!!

佐伯敦子さん/有隣堂厚木店

嬉しいこと、泣きたいことがあった時、三軒茶屋星座館に行こう!

辻 香月さん/大垣書店イオンモールKYOTO店

読み終えて思わず空を見上げてしまった。その先にはきっと夢と希望がある。

内田 剛さん/三省堂書店営業本部

泣けました。心がしみじみと温かくなりました。

竹腰香里さん/丸善名古屋栄店

みんなに会いたい! と登場人物に引き込まれるような本でした。

安田有希さん/紀伊國屋書店横浜みなとみらい店

和真の語るギリシャ神話にグッと引き込まれ、神々の人間くささにフフッと笑ってしまう。

小出愛美さん/三省堂書店京都店

ラストシーンは読むだけでとても幸せな気分になりました。

石本秀一さん/ジュンク堂書店ロフト名古屋店