大学二年生の翔太は、泣かせ屋の少女ホトトギスに声をかけられた。
翔太の涙にかけられた報酬は、三千万円。期限は二十歳の誕生日を迎えるまでの一週間。見知らぬ少女と同居することになった翔太のもとに、次々と泣かせ屋が来襲する。イリュージョニスト、袈裟姿の住職、サングラスの男たち、そして殺し屋――。
「こんな悲しい理由で泣いてはダメです」
「でも」
「命を懸けているのは、わたしです」
新進気鋭の著者があなたに贈る、出会いと別れと、驚きの結末。
『落涙戦争』
著者:森田季節
定価:本体1,300円(税別)
著者メッセージ
はじめまして、森田季節と申します。 今回の小説は、一言で言うと、「泣か せ屋が泣かしに来る話」です。 主人公の翔太は、女神と呼ばれる高名な泣かせ屋、阿弥陀寺奈弥陀の一人息子です。ただ、その出自のせいか、まったく泣くことができないまま、大学生 になってしまいました。そんな彼を一週間以内に泣かせろという依頼が、日本 中の泣かせ屋に対して出されます。明らかに異常な手段で、翔太を泣かしにやってくる泣かせ屋たち。それに立 ち向かうのは、翔太本人となし崩し的に翔太の元に居候することになったホト トギスという、どこかとぼけたところのある少女。果たして敵か、味方か? いや、泣かせ屋だと名のっているから敵のはずなのですが……(笑) 果たして、翔太は泣かずにこの一週間を耐え切ることができるのか!? ご期待下さい!
森田季節