講談社BOOK倶楽部

Qrosの女 誉田哲也

『Qrosの女』誉田哲也

軽やかでミステリアス!正真正銘の新境地!!

「謎のCM美女」の正体は?

芸能記者、ブラック・ジャーナリスト、そしてヤクザも!? ネット情報に踊らされながら、思惑が交錯し、驚愕の真相へ。

スクープ! かと思うと、もしかしてリーク!? 誰がどう動き、一体どうなっているの? 「週刊キンダイ」芸能記者の矢口慶太は、CMで話題沸騰中の美女「Qrosの女」の正体を探るが、核心に迫る情報を得られない。ようやくCMで彼女と共演した俳優・藤井涼介のネタを仕入れたので、先輩記者の栗山にサポートしてもらい、藤井の自宅を張り込む。すると「Qrosの女」とおぼしき人物を発見! それは偶然? それとも仕組まれた罠?

『Qrosの女』
著者:誉田哲也
定価:本体1,600円(税別)

購入する

著者メッセージ

初めての「幸せな嘘の物語」

 たぶん私は、とても天邪鬼な人間なのだと思います。警察小説でようやく取り上げてもらえるようになった時期に、いきなり青春小説を書いてみたり。女性主人公が多いと言われ始めたら、男性主人公の作品を書いてみたり。
 今回の『Qrosの女』もそうですね。これまでに「不幸な真実の物語」はいくつか書いてきたから、まったく逆の「幸せな嘘の物語」を書いてみよう。「誉田の作品はグロい」と散々言われてきたから、じゃあグロ要素は封印してみよう。パートごとに視点人物が交代する手法もお馴染みになってきてるみたいだから、今回はちょっと違うスタイルにしてみよう、などなど。
 舞台設定もそうです。警察、剣道、仮想現実、音楽、江戸吉原、通信社、ギネス写真、裏稼業、農業、超能力師事務所といろいろ書いてきましたが、また似たようなものを書いて「誉田もそろそろネタ切れか」と思われたら癪なので、まったく別のジャンルを選んでみました。
 今回はズバリ「芸能界」と「週刊誌」です。どうですか。いかがわしさ満載でしょう。でも、なんとなく面白そうでしょう? 私もそう思ったから書き始めたのですが、これがまた、予想外に楽しく書けたのです。嘘みたいな幸せです。いや、本当に。
 というわけで、ぜひ誉田初の「幸せな嘘の物語」──『Qrosの女』をお楽しみくださいませ。

誉田哲也

プロフィール

誉田哲也(ほんだてつや)

1969年、東京都生まれ。学習院大学卒業。2002年に『妖の華』で、第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー。2003年に『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。『ストロベリーナイト』や『ジウ』で新しい警察小説の担い手として注目される一方、『武士道シックスティーン』をはじめとする「武士道」シリーズでの青春小説など、ジャンルを超えて人気を集めている。近著に『幸せの条件』『ブルーマーダー』『ドンナ ビアンカ』『増山超能力師事務所』などがある。

「Qrosの女」を巡るちょっと怪しげな男たち

  • 矢口慶太  「週刊キンダイ」記者。政治班から芸能班に転属。芸能スクープそのものに疑問を抱いている。29歳。
  • 栗山孝治  「週刊キンダイ」所属の生粋の芸能記者。自分が書いた記事が原因で、一人の女性を不幸にした過去がある。32歳。
  • 園田芳美  いわゆるブラック・ジャーナリスト。ガセネタを週刊誌に売りつつも掲載されない場合「俺が抑えた」と芸能事務所に小銭をせびる。たまにはマジネタも。47歳。
  • 十和田春敏 芸能事務所「GOプロモーション」社長。広告代理店勤務時代に培った交渉ノウハウを駆使し影響力を得た。47歳。
  • 石上 翼  大手芸能事務所「プロダクションWing」社長。強面で芸能界に絶大なる影響力を持つが、仁義は通す主義。67歳。

書店員さん、読者モニターから

「まさに新境地作!」の声が続々と──

  • 予測がつかないものばかりの誉田さんの作品の中でも、その極みがこれ!!
    大垣書店イオンモールKYOTO店 辻香月さん
  • さわやかで幸せな読後感! 虹色の表現をする著者の新境地!!
    MARUZEN名古屋栄店 竹腰香里さん
  • 緻密に練られたストーリー展開と、すっきりした読後感に大満足!
    ブックスキヨスク新大阪店 伊藤昌至さん
  • 解決に至る過程に、この本の面白さが詰まっています! 誉田さん、また凄い小説を書いてくれました!!
    MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店 中村優子さん
  • リアルな雑誌スクープの世界が描かれるとともに、ネットの怖さに改めて気付かされる。
    書泉グランデ 近藤茂樹さん
  • 深読みする読み手を、いとも簡単かつ鮮やかに裏切ってくれました!
    アバンティブックセンター京都店 松岡佑実さん
  • 誰もが憧れる世界の怖さ、愉快さ、いい加減さが絶妙に表現された、表面はソフトでも中身はハードな著者の新たな傑作!(東京都・40代・男性)
  • 知られたくないのに明らかになっていく個人情報。インターネット社会の怖さを思い知ると同時に、芸能人の裏側を覗き見しているような楽しみもありました。(北海道・20代・女性)
  • 親近感の持てる登場人物たちが織りなすアンサンブルの中、物語は加速していく。誉田さんの巧さが光る、良質のエンターテインメントです。映画化希望!(愛知県・30代・男性)
  • 物語がどこへ向かうのかわからないまま、最後まで一気に読まされました。ミステリともサスペンスとも違う、今までに読んだことのないジャンルです。間違いなく著者の新境地!(千葉県・40代・男性)
  • 個性ある人達の魂胆と錯綜する情報が織り成す物語はリーダビリティに溢れていました。さすが誉田哲也さん、期待を裏切らない面白い作品です!(東京都・30代・女性)

担当者コメント

『ストロベリーナイト』などの警察小説に、『武士道シックスティーン』をはじめとする青春小説など幅広い作風で知られる誉田哲也さんが、また新たな地平を切り開きました! 話題のCM美女の素性を探るという点ではサスペンス、なぜCM美女は正体を明かさないかというのはミステリー、そして芸能記者など登場人物の成長譚でもあります。読者モニターの方からも「著者の新たな傑作!」「まさに新境地!」という声が多数届いている本作の、工夫を凝らした趣向と綿密な構成と驚愕の結末を、ぜひとも読んでお確かめください!!