消滅の危機に瀕した製造業の雄に唯一残された選択肢とは?
大坪体制6年間は、創業100周年=2018年を世界トップ企業として迎えるための布石だった。「お金が眠っているところ」を探し出す松下幸之助のDNAは、「環境で稼ぐ」道を見出した。二酸化炭素削減量がキャッシュ化速度を加速する。全経営者、全CFO、そして全パナソニック社員必読。
「すべてを変えることだ。さもなくば、会社は変われない」
――中村邦夫は経営トップの座を禅譲するにあたり、大坪文雄にこう語った。
「すべてを変えるにはどうすればいいか? それを継続するには何をすべきか?」
自問をくり返した大坪のもとで、パナソニックのどこがどう変わったのか?
「一大業態転換」として世間を驚かせた創業以来の大変革は、「次なる収益源」を見
据えた重要な「選択」だった。
『パナソニックの選択 「環境で稼ぐ」業態転換の未来』
著者:フランシス・マキナニー
訳者:福知里恵
定価:本体1,600円(税別)
もくじ
プロローグ パナソニックはどうあるべきか――唯一残った選択肢
第1章 「お金が眠っているところ」を探し出せ――パナソニックのDNA
第2章 CO2削減量が「キャッシュ化速度」を加速する――グリーン革命で目指す次世代像
第3章 新時代のビジネスロジック
第4章 クラウドが「松下幸之助の理念」を実現する
第5章 新たな需要の宝庫――電気自動車市場の攻略法
第6章 キャッシュ化速度革命――グリーンを売る本質
第7章 新生パナソニックが発掘した強み――グリーンブランドで勝負する
第8章 収益を極大化するモノ作り――金鉱を掘り起こすグリーン製造
第9章 組織改革と横断人事――グリーン経営とは何か
第10章 「現在」を「未来」に接続する――グリーン教育への取り組み
第11章 パナソニックの未来――クラウド型グリーン企業の誕生
エピローグ 社長交代
イギリス生まれ、カナダ育ち。トロント大学で経済学を学んだ後、経営コンサルタントに。自身が副社長を務めたノーザン・ビジネス・インフォメーション社のマグロウヒル売却で注目を集め、ノースリバー・ベンチャーズを起業。30年以上にわたって日本企業のコンサルタントを務めてきた日本通として知られる。著書に、『松下ウェイ』(ダイヤモンド社)『日本の弱点』(NTT出版)等がある。
フリーランス翻訳家。電化製品メーカーで「HARVARD BUSINESS REVIEW」や「RESEARCH-TECHNOLOGY MANAGEMENT」などのビジネス・経営関連の雑誌の社内向け翻訳に従事した経験を活かして独立。