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尾根を渡る風 駐在刑事 笹本稜平

尾根を渡る風 駐在刑事/笹本稜平

尾根を渡る風 駐在刑事 表紙

警視庁捜査一課の敏腕刑事だった江波淳史(えなみあつし)は、取り調べ中に容疑者が自殺したことで青梅警察署水根駐在所所長へと左遷された。亡くなった女性への自責の念から、江波が望んだ異動でもあった。駐在所の仕事と暮らしにも馴れ、山歩きを趣味とする江波は徐々に自らを取り戻していく。ある日、御前山(ごぜんやま)でペットの犬がいなくなったという連絡があり、山に入った江波の見つけたトラバサミが山梨で起きた殺人事件とつながっていく――。

『尾根を渡る風 駐在刑事』
著者:笹本稜平
定価:本体1,600円(税別)

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駐在刑事 表紙

ドラマ化、原作本!

組織を守るため裏切られた元捜査官。
自らを取り戻すため捜査を行う!

『駐在刑事』
著者:笹本稜平
定価:本体648円(税別)

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著者メッセージ

前作『駐在刑事』のドラマ化が決定したタイミングでシリーズ第2作『尾根を渡る風 駐在刑事』が刊行されます。

奥多摩の駐在所長を務める元警視庁捜査一課刑事──江波淳史が主人公のこのシリーズは、ミステリーと山岳物を融合させた、私のなかでもユニークな位置を占める作品です。

山を舞台の大冒険も、派手な凶悪犯罪もなく、江波が遭遇するのは人生の曲がり角でだれもが陥りそうな事件。地元旅館の跡とり息子の孝夫や江波が思いを寄せる図書館司書の遼子など、個性豊かな仲間たちとともに、江波の愛犬で頼れる相棒でもあるプールも元気に登場します。

そこで描きたかったのは、どんなに荒んだ人の心でも必ずその奥底に眠っているはずの善とでもいったものでしょうか。

事件の当事者や山里の人々との心の触れ合いを通じて成長する主人公の姿とともに、奥深く優しい山の息吹もこの作品の魅力の一つかも知れません。

奥多摩の紅葉の錦が目に浮かぶ今日この頃、そんな世界にしばし浸って、読者の皆さんの気持が少しだけ温かくなればと願っています。

笹本稜平(ささもとりょうへい)

1951年、千葉県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒業。2001年に『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。2004年に『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。警察小説のほか壮大なスケールの冒険小説で人気を博し、山岳小説も高く評価されている。近著に『漏洩 素行調査官』『南極風』『突破口 組織犯罪対策部マネロン室』『遺産』などがある。

警察小説および山岳小説が評判の笹本稜平さん。その2つの要素を合わせたともいえる『駐在刑事』は、奥多摩の大自然の中での捜査および人との触れあいが大評判となりました。その続編が満を持して登場です! また『駐在刑事』は「水曜ミステリー9」(テレビ東京系)にてドラマ化が決定! こちらのほうもお楽しみに!!