東京で初めての出産をまぢかに控えた遼子。夫の克哉が、突如、ドバイへ赴任することになったため、遼子は大阪の実家に戻り、出産をすることに。実家に帰ると、両親と妹・美和の間に、会話がないことに気がつく。そして父は新築したばかりの自宅を売却しようとしていた。実家で何があった? 明らかになっていく家族を襲った出来事とは――。
『私の命はあなたの命より軽い』
著者:近藤史恵
定価:本体1,400円(税別)
近藤史恵(こんどうふみえ)
1969年、大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。
1993年に『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。
2008年には『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞を受賞、第5回本屋大賞2位となる。
近著に『はぶらし』『キアズマ』『さいごの毛布』『胡蝶殺し』などがある。
どの家庭でも抱えていそうな心の闇に切り込んだ第一級のサスペンス!(MARUZEN名古屋栄店 竹腰香里さん)
驚くべき手法で「命の重さ」を問いかけ、抑えた筆致が心理的な恐ろしさをかきたてる。(三省堂書店神保町本店 内田 剛さん)
どんな家族にも起こりうる悲劇が本当にリアル!(MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店 生駒圭子さん)
遼子の感じる不安が私に伝わって、その雰囲気にどんどん引き込まれていきました!(柏市 浅野書店 大宮和子さん)
出産のため久々に実家へ戻った遼子が覚える、家族の間にある違和感。遼子同様に、読者はとまどうはずです。父、母、もしくは妹に何が? ドキドキする展開の中、登場人物が漏らした一言は「どうして人の命の重さには違いがあるの?」 そこに大きな謎が秘められています。女性心理を描くことに定評のある著者ならではのサスペンス&ミステリーは最後の最後まで、読み手にグサッと突き刺さります! そして「命の重さ、尊さ」を改めて感じさせ、読み応え充分です!!