『もみ消しはスピーディーに』石川智健

『もみ消しはスピーディーに』表紙画像

警察組織を監視するはずの監察官が不祥事を起こしてしまう。たまりかねた警察トップは、アメリカで発展を続ける諜報企業「リスクヘッジ社」を、監察を含めた組織全体を監視する役割で、第三者機関として採用する。リスクヘッジ社vs監察。組織内の不正をどちらが先に発見するか。監察が先んじれば不祥事がまたまた明るみに出て、リスクヘッジ社は不要、日本から撤退ということになる。しかもリスクヘッジ社は、警察トップのほんの一握りしか知らない密命を帯びていた。即ち、監察を出し抜いて不祥事を隠蔽し、不正を「無かったこと」にしなければならないのだ。情報社会における国民生活の安全をも揺るがす、壮大なスケールのインテリジェント・バトルがはじまった!

『もみ消しはスピーディーに』
著者:石川智健
定価:本体1,500円(税別)

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石川智健

1985年神奈川県生まれ。25歳のときに書いた『グレイメン』で2011年に国際的小説アワード「ゴールデン・エレファント賞」第2回大賞を受賞。2012年に同作品が日米韓で刊行となり、26歳で作家デビューを果たす。最新作『エウレカの確率』は、経済学を絡めた斬新な警察小説として大いに注目を集める。現在は医療系企業に勤めながら、執筆活動に励む。

全国から読者の声がぞくぞく――ニューウェーブ警察小説のここが面白い!

東京都・30代女性
タイトルどおり、非常にスピーディーな展開でした。特にアメリカの諜報企業リスクヘッジ社のクールなキャリアウーマンと、日本の警察組織K庁の監察官との応酬は、卓球のラリーのようなすばやさ。ラケットを動かしているのは見えるけれど、肝心のボール、つまり核心が一体どこにあるのか、それが知りたくて、どんどん読み進めてしまいました。
東京都・50代女性
悪事を働いた警察官の処罰が目的ではなく、もみ消して無かったことにしてしまう。そこがすごい。無かったことにするための彼らのやり方は徹底している。
大阪府・30代女性
この者たち、善なのか悪なのか。もみ消し、と言う言葉から感じられる悪どさとは裏腹に、リスクヘッジ社の人々の行いがどこか痛快に感じられるのが不思議でした。
静岡県・50代男性
リスクヘッジ社の氷の微笑「怜良」と正義感の塊りの監察官「和久井」の駆け引きに引き込まれつつ、このネット社会の進む先に不安を持ってしまうのは私だけでしょうか。
福島県・10代女性
ビジネスのためもみ消しを行う怜良と正義のためもみ消しを阻止し、真実を明らかにしようとする和久井。そして、渦巻く様々な思惑。何が真実なのか最後まで読めない本作。ラストまで二人の戦いから目が離せません。
福岡県・30代男性
警察の不祥事をもみ消すという、完全に悪者の話なのに監察官との戦いは新たなダークヒーローを思わせる爽快感があり、ついついリスクヘッジ社を応援してしまいました。
東京都・50代男性
警察小説であるとともに企業小説の一面もある。展開にスピード感があり、飽きさせずに、読ませる小説だと思います。本当に面白かったです。
愛媛県・50代男性
リスクヘッジ社は、警察官の行動を記録したビッグデータを解析したり、関係者と交渉したり、時には力ずくで相手を従わせたりします。 本作は、スパイ大作戦(ミッション:インポッシブル)ですね。 読みながら、テーマ曲が頭の中で再生されていました。一級の冒険小説で、ワクワクしながら楽しめました。
埼玉県・30代女性
従来にはないアイデアの小説で、新鮮な気持ちで読み進めることができました。読む前は、「不祥事をもみ消す」というので、余りスッキリしないのかな、と思いましたが、実際はばれない悪事の裏を取って、ワルにつきつけ、ある程度痛い目にあわせるので、その点痛快でした。
新潟県・20代男性
ことあるごとに起っていく不祥事を外部に漏らすことなく消し去っていく手腕は読んでいて爽快で、あっという間に読み終わってしまう一冊でした。主人公はエリートOL風の女性。そこに食いついていくような検察官の立ち位置もなかなか魅力的です! 本当にあるんじゃないかと思える内容がより一層、本にのめりこませてくれました。
神奈川県・40代女性
架空の設定ですが、ひょっとしたら、密かに警察内部で行われているかのような緊迫感がありました。 CIAやNSAのテクニック(?)についてもスパイさながらで、日本ではスパイ小説はほぼないですが、こちらの小説は新しいジャンルのスパイ小説のようで楽しめました。
山梨県・50代男性
新しいタイプのピカレスクロマンとして読ませていただきました。題名どおりのスピーディーな展開と知恵比べはなかなかでした。日本警察の闇は深いと改めて認識出来ました。
大阪府・10代女性
私は本を読むのが遅いのですが、2時間半くらいで読めました!私にしては凄くサクサク読めてそのくらい面白かったです。不祥事を揉み消すか、明るみに出すかといった対決というのも見ものですよ。
岐阜県・20代女性
ヒリヒリ感がたまりません! まるで自分も本の中にいてリスクヘッジ社に観察されているような気がして、何度も後ろを振り返ってしまいました。
東京都・40代女性
読みやすい文体。魅力あふれる個性派ぞろいのキャラクター。そして、タイトルどおり、「スピーディー」なストーリー展開に、最初から最後まで翻弄されっ放しでした。リスクヘッジ社がやっている仕事は、決して正義ではないのに、いつの間にか応援してしまっている自分に驚きます。
東京都・50代男性
単なる警察小説ではなく、リスクマネジメントが持つ矛盾を白日の下に晒した組織論として読むことができる作品ともいえる。
北海道・40代男性
抜きつ抜かれつのコンゲーム〈信用詐欺〉の要素もあり、読み手を退屈させません。結末は賛否両論あるでしょうが、単なるハッピーエンドにしない、日本を憂える作者の意志が感じられます。
東京都・50代女性
スピーディーな展開と、だい たい、目的って?何のために? っていうのが、頭の固いあたしには、時々わからなくなっちゃって愉快。追いついていくのがせいいっぱい。あたらしい警察小説。
東京都・50代男性
この物語はシリーズ化が念頭におかれているのだろう。映像化したらかなりの視聴者を引き付けることは間違いない。主たるテーマである「もみ消し」には賛否両論はあるだろうが、純粋にミステミーとして楽しめる。
埼玉県・50代男性
果たして、真実が暴露されることが正義なのか、悪事をもみ消すことが平和なのか、 現実の社会でもきっと起きていることなんだろうと複雑な思いで読み終えた。そして、ここに描かれている物語の奥に、もっと強烈な世界があることを想像させてくれる。