猫木豊、31歳。脳内で「365日毎日“だらだら且ぶらぶら”できる国の王」として暮らす、ダメ男。ある日、パートナーの宝田から妊娠を告げられ、“だらだら且ぶらぶら”に未練を残しつつ、現実の生活と向き合い始める。しかし出産後、こどもの先天的障害が判明し、宝田は動揺を隠せない。いっぽう猫木は、ダメ男のくせにそんな宝田への不満を隠せない。二人は互いに見当違いの三くだり半をつきつけ合うのだった――。
『LIFE』
著者:松波太郎
定価:本体1,400円(税別)
1982年埼玉県生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科修士課程修了。
2008年「廃車」で文學界新人賞を受賞。
2009年「よもぎ学園高等学校蹴球部」で芥川賞候補。
同年、単行本『よもぎ学園高等学校蹴球部』を刊行。
ほかの著作に、「アーノルド」「関誠」「サント・ニーニョ」などがある。