小学生のとき父に置き去りにされた星新一は、精神科医の宗猛から、父がスパイだったと告げられた。星は思春期より出現した7つの人格をコントロールして外務省職員となる。一方、自由民主党の議員、松平は四十四歳の若さで首相に就任。血筋と顔立ちだけが美点の傀儡首相と思われていたのだが、ある日、米大統領もうならせる名演説を披露して周囲の度肝を抜く。
小学生のとき父に置き去りにされた星新一は、精神科医の宗猛から、父がスパイだったと告げられた。星は思春期より出現した7つの人格をコントロールして外務省職員となる。一方、自由民主党の議員、松平は四十四歳の若さで首相に就任。血筋と顔立ちだけが美点の傀儡首相と思われていたのだが、ある日、米大統領もうならせる名演説を披露して周囲の度肝を抜く。
『虚人の星』
著者:島田雅彦
定価:本体1,600円(税別)
島田雅彦(しまだ・まさひこ)
1961年、東京都生れ。東京外国語大学ロシア語学科卒。 1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』を発表し注目される。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞を受賞。著書は『天国が降ってくる』『僕は模造人間』『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』『フランシスコ・X』『佳人の奇遇』『徒然王子』『悪貨』『ニッチを探して』など多数。
<カバー画>
池田学 「予兆」(部分)
2008/紙にペン、インク/190×340cm/撮影:久家靖秀
株式会社サステイナブル・インベスター蔵
©IKEDA Manabu, Courtesy Mizuma Art Gallery