虚人の星 島田雅彦

「誰も気づいていないが、戦争はすでに始まっている。」7つの人格をもつ二重スパイと、血筋だけが取り柄の三代目首相。交互に明かされる諜報と政権の秘密。二人が交差する時、日本のの命運が決まる。国家の自殺を食い止めることはできるのか?

――戦争を避ける秘策でもあるのか? ――謀反を起こしていただきたいのです。 総理とスパイの意識を丸裸にする驚異の一人称語り。戦後70年の分岐点、進むべき未来を照らす傑作長篇小説!

小学生のとき父に置き去りにされた星新一は、精神科医の宗猛から、父がスパイだったと告げられた。星は思春期より出現した7つの人格をコントロールして外務省職員となる。一方、自由民主党の議員、松平は四十四歳の若さで首相に就任。血筋と顔立ちだけが美点の傀儡首相と思われていたのだが、ある日、米大統領もうならせる名演説を披露して周囲の度肝を抜く。

『虚人の星』表紙

『虚人の星』
著者:島田雅彦
定価:本体1,600円(税別)

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エッセイ「総理もネトウヨもみな虚人である」島田雅彦

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島田雅彦(しまだ・まさひこ)

1961年、東京都生れ。東京外国語大学ロシア語学科卒。 1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』を発表し注目される。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞を受賞。著書は『天国が降ってくる』『僕は模造人間』『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』『フランシスコ・X』『佳人の奇遇』『徒然王子』『悪貨』『ニッチを探して』など多数。

<カバー画>

池田学 「予兆」(部分)
2008/紙にペン、インク/190×340cm/撮影:久家靖秀
株式会社サステイナブル・インベスター蔵
©IKEDA Manabu, Courtesy Mizuma Art Gallery

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