世界各地で、死んだ人間がよみがえる「復生者」のニュースが報じられていた。主人公・土屋徹生は36歳。3年前に自殺したサラリーマン、復生者の一人だ。愛する妻と子に恵まれ、幸福だったはずの自分が、なぜ死んだのか?実は自殺ではなく、殺されたのではないか?自らの死の謎を追い求める中で、彼は生きる意味、死んで行く意味、そして幸福の意味を知る――。人は、ひとりでは決してない。新たな死生観を描いて深い感動を呼ぶ、平野啓一郎の最新傑作長編。『ドーン』、『私とは何か「個人」から「分人」へ』につづく「分人」三部作の集大成!
『空白を満たしなさい』
著者:平野啓一郎
定価:本体1,600円(税別)
SF?ミステリー?哲学?全く予測できない展開。一字一句読み逃せない緊張感の中で一気に読了。気がつけば主人公は自分自身だった。(40代/男性/東京都)
自分だけを思う気持ちも、家族を思う気持ちも、利己的な気持ちも博愛的な気持ちも、全部悪いことじゃなかった。この本を読んで、そう感じました。(30代/女性/兵庫県)
この小説は、大事だけど誰も示してくれないことを教えてくれました。「死んだ者が、生きていることの意味を教えてくれる」。生きていく意味を考えて悩む時間が多いだろう若い人たちに。あるいは子育てがある程度進み、何のために生きているのか自問したくなる人たちに、勧めたい。(30代/男性/東京都)
久しぶりに良い本に出会えた。今私は社会人1年目で人間関係などで凄く悩んでいます。私にとってこの本は改めて生きるという幸せを教えてくれた救世主です。(10代/女性/宮城県)
こんなにエンターテイメント性豊かに描写して、かつ、説得力ある論理展開で最後まで全く飽きさせることなく引きつける純文学は、平野さんしか書けない。主人公の揺れる気持ち、妻あるいは子ども、母、友人との関係が揺らぎながらラストの光に向けて収束されていく展開は圧倒的でした。(40代/男性/愛知県)
「年を重ねるたびに読み返したい本」。(20代/女性/神奈川県)
「もしかしたら、自分にも…」読み進むのが息苦しく感じるほど生々しく、想像通りとならない展開。自分も徹生同様の会社員。改めて自分と向き合うきっかけをくれた作品。(40代/男性/山形県)
幸せについて迷ったり、分からなくなったときに読み返したい物語です。(40代/男性/千葉県)
今、生きていることの奇跡のような事実と、普段意識していない人の生への愛しさ・せつなさ。読み始めたら、最後の頁まで止められない小説である。(40代/男性/東京都)
「私」とはなにか、本当の「幸せ」とはなにかを考えられる作品。最後の一文に“永遠と一瞬”を感じました。(20代/男性/滋賀県)
大変な感銘を受けました。生きることの大切さ、命あることの大切さ、何気ない一瞬の大切さに思い至ることが出来る数少ない小説。(50代/男性/東京都)
一瞬の光り輝く記憶が人生に何度も回帰することで絶大な肯定をもたらすだろう、そんな愛に打たれて泣きました。(40代/女性/島根県)
読んでいて 苦しくなるが、やめられない。ラストにいくにつれて、涙がこみあげるが、読み終えたら、心に幸せな感じが残りました。
ジュンク堂書店西宮店 水口真佐美さん
思ってもいなかったストーリー設定で、まさに衝撃でした。現代の問題の根底の部分から 改めて考えずにはいられなくなりました。
文教堂浜松町店 大浪由華子さん
死者がよみがえる物語って…何と不気味な荒唐無稽な、と思いきや 想像をはるかに凌駕する驚きと感動に体中が包みこまれた。息をつかせぬテンポの良さと衝撃の展開… そして思いもよらぬ「分人」の存在を知ることによって 一気に重層的となるストーリー。新たな手法によって 暗い闇を背負った生と はかなくも眩しい死の明暗をあざやかに描ききっていて、これは見事の一言。生き抜くことの苦しみと愛すべき者への情念の深さが切なく哀しく いつまでも 胸の中に響き続けて離れない――
三省堂書店営業本部 内田剛さん
自殺という重いテーマを扱って、ここまで描けるのは平野氏くらいだと思います。
さわや書店フェザン店 松本大介さん
死者が生き返るというストーリーからさまざまな考え方がうまれだす、何度も読みたくなる作品。
水嶋書房くずは駅店 和田アキ子さん
自分から遠いと思っていた「自殺」は、本当はすぐそばにあって誰にでも起こることなのかもしれない…と、ちょっと怖くなりました。でも、同時に生きることについてももっと身近になって、生きることに意味、死ぬことの意味、死んだ人の気持ち、残された人の気持をいろいろ考えさせられた。
紀伊國屋書店横浜店 川俣めぐみさん
「男の長きにわたる不在」は、文学の永遠のテーマだ。各国の神話、英雄伝や「父帰る」「イノック・アーデン」で、それらは繰り返し書かれてきた。男たちは突然消えたときと同じく、突然現れたときも、愛する人、そして自分を傷つけてしまう。本書は平成の静かなる神話なのかもしれない。
代官山蔦屋書店 間室道子さん
会社のため、家族のため働いて、今を精一杯生きてるのに満たされないのは、なぜだろう?本当に大切なものは何かを教えてくれる、2012年最高の一冊です。涙なしには、読めません!
ブックエキスプレスエキュート上野店 上村祐子
『「生命力」の行方』
定価 : 本体1,800円(税別)
時代を動かす「生命力」はどこへ向かうのか?今、自分らしく幸福に生きるとはどう いうことか? AKB、アバターから森山大道、「英霊」、震災まで、<同時代>の諸 相を読み解くエッセイと各界第一人者との対談を収録。未来を考えるための「分人主 義」実践篇!
『私とは何か 「個人」から「分人」へ』
講談社現代新書
定価:本体740円(税別)
「本当の自分」はひとつじゃない!小説と格闘する中で生まれた、まったく新しい人間観。嫌いな自分を肯定するには?自分らしさはどう生まれるのか?他者と自分の距離の取り方は?恋愛・職場・家族など人間関係に悩むすべての人へ贈る、新たな人間理解の書。
『ドーン』
講談社文庫
定価:本体876円(税別)
2033年、人類初の火星探査に成功し、一躍英雄となった宇宙飛行士・佐野明日人。しかし、闇に葬られたはずの火星での出来事が、アメリカ大統領選を揺るがすスキャンダルへ。「分人」という概念を提唱し、人間の希望を問う Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作。