人気絶頂! 乱歩賞作家・川瀬七緒の新機軸・警察ミステリーシリーズ「法医昆虫学捜査官」

【著者が解説──女性捜査官・赤堀涼子が駆使する「法医昆虫学」とは!?】死体に湧く虫の成長と生態系の組まれ方から、死後経過や犯罪環境までも割り出していくという希有な学問。それが法医昆虫学である。たとえば、ある屍肉食種のハエは、生き物が死亡してから必ず十分以内に到着する習性をもっている。そして即座に産卵がおこなわれるのだが、孵化から羽化にいたるまでの日数は、実に正確で狂いがないものだ。  欧米では、この分野が犯罪捜査になくてはならないものにまで成長した。しかし日本では、未だ「目先の変わったおかしなもの」の域を出てはいない。(川瀬七緒)

新たなミステリー体験をした読者の声!

  • 緑深い森の中に閉じ込められたような錯覚を抱きながら読み進めました。極めて面白い! 読書中の斯様な経験は初めてです。久々に歯ごたえのある推理小説に出会えた喜びに浸っています。
    (神奈川県 50代男性)
  • ハエからダニ、シラミ、南京虫まで出てくる出てくる(涙)。虫が大嫌いな私には有り得ない世界なのに、次はどんな虫が赤堀先生を助けてくれるのか気になって仕方がない。
    (埼玉県 50代女性)

  • 確かな知識に裏付けされたストーリーには全く無駄な部分がなく、未知の世界に引きずり込まれるように、最後まで一気に読み切った。充足感が残っている。
    (50代 福島県男性)
  • 従来のミステリ小説とは一風変わったものとなっており新鮮な感覚で読めました。従来のミステリ小説らしさも味わえ、一つの小説の中でいろんな楽しみ方が出来ました。なかなか、事件の真相の予測ができませんでしたが、その分終盤では一気に真相が明らかになっていき、爽快でした。
    (福島県 20代男性)

  • 「虫からこんなことが出来るんだ……!!」という新鮮な驚き。そして虫トリビアは、虫好きな人もそうでない人ものめり込むのではないでしょうか。
    (大阪府 30代女性)
  • 衝撃のラストはバラバラなことのようで全ては繋がっていたのだとわかり、何度も読み返しました。また、岩楯刑事と赤堀さんがとても魅力的なキャラクターで2人の掛け合いが心地よかったです。
    (東京都 20代女性)

  • めくるめく虫たちの世界に驚愕しつつ、虫たちの奥深い生き様・生の営みに、ぐいぐい引き込まれながら、「まさか」いや「やはり?」のラストでした。これからは、放置死体と聞くと「虫」はどうだと想像しそうです。
    (愛知県 40代女性)
  • 法医昆虫学という言葉から連想したのは海外ドラマ「BONES ─骨は語る─」の昆虫学者・ホッジンズで、とても楽しみに読み始めましたが、それをはるかに超える赤堀涼子のキャラクターとその活躍についつい夢中になり、一気に読みました。
    (北海道 50代女性)

  • 昆虫! 刑事物! 不気味な事件! 嫌悪感の増す要素が揃っているのに、笑えて面白いなんて、本当に不思議な一冊でした。とても面白かったです!!
    (千葉県 40代女性)
  • 虫嫌いの人にも是非読んでもらいたい一冊です。この虫はどんな虫の知らせを赤堀先生に教えてくれるのか、登場する虫達に期待しつつ、 読み終わる頃、 そんなに虫嫌いじゃなくなったような気がしました。
    (新潟県 40代女性)

  • 吐き気がこみ上げてくるような表現の連続に途中で読むのをやめよう かと思った。けれど、初めて知る虫や動物の習性から迫る科学捜査の行方が気になってどんどん引っ込まれていった。
    (大阪府 60代女性)
  • 今作で最高に面白いのがなんといっても虫の描写! ウジについてハエについて私は何も知らなかった! そんな切り口で!? え、こんな所にも!? こんな見方が!! えーー!!! とわくわくしっぱなしでした。
    (東京都 30代女性)

  • 最後のどんでん返しにも驚かされ、特に真犯人と動機には天地がひっくり返るほどびっくりしました。虫嫌いな人もこの本を読めば虫好きになれるかも!? 虫好きの人はもちろん、虫嫌いの人にも読んでほしい本です。
    (沖縄県 10代女性)
  • 殺人の動機、バラバラにした理由、そして犯人について、文字通り、あっと言わされました。これまでの作品を大きく上回る面白さになっています。
    (東京都 30代女性)

  • 今までのミステリーに無い、ユニークで面白いストーリー展開。したたかで綿密な場面描写が登場人物のキャラを引き立たせていて、プロットの構成もしっかりしていて、読者にはたまらない。
    (福井県 80代男性)
  • 科捜研とも違う、「がっつり虫の声を聴く」捜査方法が何と斬新なことか! 虫は嘘を吐かないからこそ、その結果には信憑性があるのだな、と感じました。世の中にはまだまだ知らない学問が沢山!
    (東京都 30代女性)

  • どうしてこんな話を思いつくのだろう。おもしろい! 虫も登場人物もイキイキしてます。法医学昆虫学者・赤堀涼子の飄々としてブレない姿勢には、働く女性として勇気をもらえます。
    (東京都 50代女性)
  • 元生物学者の私からしてもこの生物学的アプローチはとても興味深く、深く引き込まれた。さらに、リアルな描写がよりリアルな臨場感を演出していた。そして、岩楯警部と赤堀研究者の掛け合いがとても絶妙であり、作品をテンポ良く進めていたと感じた。
    (石川県 30代男性)

  • シリーズ物はキャラクター頼りになってストーリーがお粗末になりがちですが、今作は期待以上の出来でした。アロマテラピーや香水、アレルギーなど知らない情報も満載され、犯人の犯罪の動機もとても独創的で最後まで夢中になって読みました。
    (神奈川県 40代女性)
  • 今回はなかなか先の読めない筋でした。沢山のヒントが提示され、怪しい仕掛けに悩み気付けば残すページは後少し。どーすんの!? 読後は昔々に読んで衝撃を受けたパトリック・ジュースキントの『香水』を思い出し、スタンディングオーベーションでした。
    (大阪府 50代女性)

著者メッセージ

 こんにちは、川瀬七緒です。
 法医昆虫学シリーズも、おかげさまで四作目を迎えることとなりました。
 今回は、西多摩の山のなかでバラバラ死体の一部が見つかるところから物語が始まります。生き物は死亡すると、新鮮期、膨満期、腐乱期、後腐乱期、白骨期の五段階を経て土にかえっていくのですが、この死後経過と虫の生育状況には密接な関係がある……これは法医昆虫学では基本の部分と言っていいかと思います。
 けれども、この基本がめちゃくちゃになっているとき、法医昆虫学者の赤堀涼子ならどうするのか。検屍結果とはまったく異なる答えを導き出した彼女は、それを証明するため野山を駆け回ることになるわけです。虫捕り網を振るい、満面の笑みで嬉々として……。
 当然、警視庁捜査一課の岩楯警部補は赤堀に付き合わされるのですが、周囲が法医昆虫学を軽んじているなかでも、岩楯は事を客観視しようと腐心します。

 一向に見つからないバラバラ死体の残りの部分と、広大な山と森に阻まれて進まない捜索。赤堀と岩楯は、どんな手を使って真実へと近づいていくのか。ハエの幼虫(まあ、ウジですが)もある意味大活躍しますので、彼らの世界にどっぷりと浸っていただければと思っています。

川瀬七緒(かわせななお)
プロフィール

1970年、福島県生まれ。文化服装学院服装科・デザイン専攻科卒。服飾デザイン会社に就職し、子供服のデザイナーに。デザインのかたわら2007年から小説の創作活動に入り、2011年、『よろずのことに気をつけよ』で第57回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー。その後発表した『147ヘルツの警鐘』と『シンクロニシティ』の「法医昆虫学捜査官シリーズ」で、日本では珍しい法医昆虫学を題材にして注目を集める。近著に『桃ノ木坂互助会』。