君の隣に 本多孝好

『君の隣に』表紙
この物語の行く末は? 驚嘆のミステリー!!

横浜・伊勢佐木町で風俗店『ピーチドロップス』を営む大学生・早瀬俊。彼は進藤翼という少女と二人で暮らしていた。深い翳を宿す青年・早瀬と、非の打ち所がない少女・翼。店の常連客、翼の担任教師、老いた元警官など周囲の人物たちから、少しずつ早瀬と翼の秘密が明かされていく――。

『君の隣に』
著者:本多孝好
定価:本体1,600円(税別)

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著者メッセージ

大ざっぱに言ってしまうと、これは横浜・伊勢佐木町のデリヘルを舞台に、様々な秘密を抱えた人たちが交錯する物語だ。ああ、うん、まずは『デリヘル』で引かないでほしい。みんな、そんなにクンズホグレツはしていない。また、ただの連作短編と思われても少々心外だ。たぶん、読後には、読み始めたところからは想像できなかった場所に、あなたをお連れできるのではないかと自負している。

物語は、六人の人物によって語られていく。中学生の男の子、女子大生、中年の会社員、学校の先生、元警察官、そしてもう一人、闇を抱えた男。本作の主人公とも言える、青年と少女を含め、登場人物たちはみな、各々の「しかるべき場所」に向かって、それぞれ歩みを進めていく。ある人は秘密から解放された後に。ある人は秘密を抱えたままに。

できることならあなたには、その「しかるべき場所」へと歩いていく彼らの後ろ姿を、隔てることなく等しく愛おしんでもらいたい。そう願っている。

著者プロフィール

本多孝好(ほんだ・たかよし)

1971年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。1994年に「眠りの海」で、第16回小説推理新人賞を受賞。著書に『真夜中の五分前』『チェーン・ポイズン』『at Home』『MEMORY』『ストレイヤーズ・クロニクル ACT1~3』『魔術師の視線』などがある。

書店員さん共感、驚嘆!
  • 本多孝好の真骨頂ともいえる「特別な」作品だ。【三省堂書店営業企画室 内田 剛さん】
  • 誰かを大切に思える時、人は強く生きられる。この作品で希望をもらいました。【大垣書店イオンモールKYOTO店 辻 香月さん】
  • 伊勢佐木町、港の見える丘公園……慣れ親しんだ街並みの情景も物語を深く彩っているように感じました。 【紀伊國屋書店横浜みなとみらい店 安田有希さん】
  • ミステリーにとどまらない人間模様の交錯が見事に描かれている。【アバンティブックセンター京都店 岩城 裕さん】
  • タイトルの意味を知った時の感動と震えをぜひ味わってほしい。【文教堂書店西葛西店 水野知博さん】
担当者コメント

いつも多くの人で賑わう横浜みなとみらい。その近くにある関内駅のJRの線路を挟んで、神奈川県庁、横浜スタジアムなどがある海側と伊勢佐木町のある山側では表情がかなり違います。戦前、浅草、大阪・千日前と並ぶ大繁華街だった伊勢佐木町にはレトロな雰囲気が漂っています。近隣エリアに、特徴が違う魅力的な街がひしめいている港町・横浜。そんな横浜の多彩な雰囲気、様子が登場人物たちの背景に色濃く反映されていて、そこも読みどころのひとつです。

早瀬は、なぜ風俗店を? 翼との関係は? いろいろな人物から語られる各編を読む度に、謎が出現し、その秘密が明かされ、また新たな謎が生じる……。驚嘆の結末まで多くの表情を見せつつも、本多さんならではの透明感あふれる筆致で描かれた展開をぜひともご堪能ください。

また関係者の方々、この作品も映像化のご検討を! ロケ場所には決して困らないと思いますので。

好評既刊
『チェーン・ポイズン』表紙

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講談社文庫 『チェーン・ポイズン』
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