『決戦!大坂城』
著者:葉室麟/冲方丁/伊東潤/富樫倫太郎/天野純希/乾緑郎/木下昌輝
定価:本体1,600円(税別)
「鳳凰記」
亡き豊臣秀吉の側室で秀頼を生んだ茶々。淀と呼ばれ、豊臣家を率いる彼女の前に、徳川家康という強大な敵が立ちふさがる。一族存亡を懸けた”女の戦い”とは。
「日ノ本一の兵」
この世で一番の武士の頸をとれ! 父の遺言を胸に、真田信繁は打倒徳川家康の秘策を張り巡らす。影武者、そして一挺の銃。家康の眼前に一撃が迫る。
「十万両を食う」
籠城戦に備える大坂で大儲けをした商人の近江屋伊三郎だが、和睦により大量の古米と借金を抱えることに。こんなはずやなかった……起死回生の一発を狙う。
「五霊戦鬼」
戦場で水野勝成が再会したのは、かつて切り捨てたはずの僧だった。鍵を握るのは若き日に授かった謎の秘薬。過去の因縁に向き合う、決戦の日が始まった。
「忠直の檻」
祖父徳川家康の下知に抗い、大敗を喫した松平忠直。国に戻り、会いに行ったのは一人の女だった。次の戦が始まろうとするとき、「手柄を立てろ」と女は言う。
「黄金児」
城外の喧騒とは無縁に少年は育った。やがて頑健な青年となった豊臣秀頼は、敵が徳川家康であることを知る。戦が起きる――22歳の若者が下した決断は。
「男が立たぬ」
激戦の裏で密かに決行された徳川家康の孫・千姫救出作戦。戦渦広がる大阪城内を、福島正則の弟・正守が駆ける。歴史に埋もれた男たちの誇りと約定。
富樫倫太郎(とがし・りんたろう)
1961年北海道生まれ。1998年『修羅の跫』で歴史群像大賞を受賞し、作家デビュー。「陰陽寮」シリーズなどの伝奇小説、「SRO」シリーズなどの警察小説、 「軍配者」シリーズをはじめとする時代・歴史小説など、幅広いジャンルで活躍。他の著書に『風の如く』『白頭の人』『土方歳三』など。
乾 緑郎(いぬい・ろくろう)
1971年東京都生まれ。2010年『忍び外伝』で朝日時代小説大賞、『完全なる首長竜の日』で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、作家デビュー。他の 著書に『賽の巫女 甲州忍び秘伝』『鬼と三日月 山中鹿之介、参る!』『鷹野鍼灸院の事件簿』『機巧のイヴ』『思い出は満たされないまま』など。
葉室 麟(はむろ・りん)
1951年福岡県北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業。地方紙記者などを経て、2005年「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞し、作家デビュー。2007年『銀漢の賦』で松本清張賞、2012年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。他の著書に『影踏み鬼 新撰組篠原泰之進日録』『春雷』『山月庵茶会記』『蒼天見ゆ』など。
冲方 丁(うぶかた・とう)
1977年岐阜県生まれ。早稲田大学在学中の1996年に『黒い季節』でスニーカー大賞金賞を受賞し、作家デビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、2010年『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、2012年『光圀伝』で山田風太郎賞を受賞。他の著書に『はなとゆめ』など。
伊東 潤(いとう・じゅん)
1960年神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。外資系企業に勤務後、専業作家に。2013年『国を蹴った男』で吉川英治文学新人賞、『義烈千秋 天狗党西へ』で歴史時代作家クラブ賞、『巨鯨の海』で山田風太郎賞、2014年『峠越え』で中山義秀文学賞を受賞。他の著書に『死んでたまるか』など。
天野純希(あまの・すみき)
1979年愛知県生まれ。愛知大学文学部史学科卒業。2007年『桃山ビート・トライブ』で小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。2013年『破天の剣』で中山義秀文学賞を受賞。他の著書に『風吹く谷の守人』『戊辰繚乱』『信長 暁の魔王』『覇道の槍』など。
木下昌輝(きのした・まさき)
1974年奈良県生まれ。近畿大学理工学部建築学科卒業。2012年「宇喜多の捨て嫁」でオール讀物新人賞を受賞する。2014年、受賞短篇を含むデビュー作『宇喜多の捨て嫁』が直木賞候補となり、2015年、同作で高校生直木賞を受賞。