講談社BOOK倶楽部

『獣の奏者』上橋菜穂子

母が指笛を吹き鳴らしたとき、奇跡がおこった――。決して人に馴れず、また馴らしてもいけない生き物とともに生きる宿命の少女エリンの物語。壮大なスケールで描き出す、異世界ファンタジー決定版!

上橋菜穂子さん 祝! 2014年国際アンデルセン賞 作家賞受賞!!

上橋菜穂子さん受賞の言葉

「国際アンデルセン賞」は1956年に創設された児童文学の本の分野で最も歴史と権威のある国際的な賞です。2年に一度、子どもの本の世界に最も貢献した作家1名と画家1名に送られます。選考水準の高さから、児童文学のノーベル賞と称されています。作家賞の受賞は1994年のまど・みちおさん以来の快挙です!

単行本
獣の奏者 ・闘蛇編

著者:上橋菜穂子

獣ノ医術師の母と暮らす少女、エリン。ある日、戦闘用の獣である闘蛇が何頭も一度に死に、その責任を問われた母は処刑されてしまう。孤児となったエリンは蜂飼いのジョウンに助けられて暮らすうちに、山中で天を翔ける王獣と出合う。その姿に魅了され、王獣の医術師になろうと決心するエリンだったが、そのことが、やがて、王国の運命を左右する立場にエリンを立たせることに……。

獣の奏者 (2)王獣編<

著者:上橋菜穂子

傷ついた王獣の子、リランを救いたい一心で、王獣を操る術を見つけてしまったエリンに、学舎の人々は驚愕する。しかし、王獣は「けっして馴らしてはいけない獣」であった。その理由を、エリンはやがて、身をもって知ることになる……。王国の命運をかけた争いに巻きこまれていくエリン。――人と獣との間にかけられた橋が導く、絶望と希望とは?

獣の奏者 (3)探求編

著者:上橋菜穂子

あの<降臨の野>での奇跡から11年後――。ある闘蛇村で突然<牙>の大量死が起こる。大公にその原因を探るよう命じられたエリンは、<牙>の死の真相を探るうちに、歴史の闇に埋もれていた、驚くべき事実に行きあたる。最古の闘蛇村に連綿と伝えられてきた、遠き民の血筋。王祖ジェと闘蛇との思いがけぬつながり。そして、母ソヨンの死に秘められていた思い。みずからも母となったエリンは、すべてを知ったとき、母とは別の道を歩みはじめる……。

獣の奏者 (4)完結編

著者:上橋菜穂子

王獣たちを武器に変えるために、ひたすら訓練をくりかえすエリン。――けっしてすまいと思っていたすべてを、エリンは自らの意志で行なっていく。はるか東方の隊商都市群の領有権をめぐって、激化していくラーザとの戦の中で、王獣たちを解き放ち、夫と息子と穏やかに暮したいと願う、エリンの思いは叶うのか。王獣が天に舞い、闘蛇が地をおおい、<災い>が、ついにその正体を明かすとき、物語は大いなる結末を迎える。

獣の奏者 外伝 刹那

著者:上橋菜穂子

エリンの同棲……、エサルの恋……、
――空白の11年間がとうとうあきらかに!

イアルとエリンの同棲時代が書かれる「刹那」
エサルが若かりし頃を思い返す「秘め事」
息子ジェシの成長をかいまみる「はじめての…」 の3編を収録

ずっと心の中にあったエリンとイアル、エサルの人生――彼女らが人として生きてきた日々――を書き残したいという思いに突き動かされて書いた物語集です。 「刹那」はイアルの語り、「秘め事」はエサルの語りという、私にとっては珍しい書き方を試みました。楽しんでいただければ幸いです。――上橋菜穂子

講談社文庫
講談社文庫 獣の奏者(1)闘蛇編

著者:上橋菜穂子

リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが――。苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける!

講談社文庫 獣の奏者(1)闘蛇編

著者:上橋菜穂子

カザルム学舎で獣ノ医術を学び始めたエリンは、傷ついた王獣の子リランに出会う。決して人に馴れない、また馴らしてはいけない聖なる獣・王獣と心を通わせあう術を見いだしてしまったエリンは、やがて王国の命運を左右する戦いに巻き込まれていく――。新たなる時代を刻む、日本ファンタジー界の金字塔。

講談社文庫 獣の奏者(3)王獣編

著者:上橋菜穂子

愛する者と結ばれ、母となったエリン。ある村で起きた闘蛇の大量死の原因究明を命じられ、行き当たったのは、かつて母を死に追いやった禁忌の真相だった。夫と息子との未来のため、多くの命を救うため、エリンは歴史に秘められた真実を求めて、過去の大災厄を生き延びた人々が今も住むという遥かな谷を目指すが……。

講談社文庫 獣の奏者(4)王獣編

著者:上橋菜穂子

闘蛇と王獣。秘められた多くの謎をみずからの手で解き明かす決心をしたエリンは、拒み続けてきた真王(ヨジエ)の命に従って王獣を増やし、一大部隊を築き上げる。過去の封印をひとつひとつ壊し、やがて闘蛇が地を覆い王獣が天に舞う時、伝説の大災厄は再びもたらされるのか。

講談社文庫 獣の奏者 外伝 刹那

著者:上橋菜穂子

壮大な物語世界に潜む、女たちの生と性。
エリンとイアルの「空白の11年」などを明らかにする物語集。
王国の行く末を左右しかねぬ政治的運命を背負ったエリンは、女性として、母親として、いかに生きたのか。エリンの恩師エサルの、若き頃の「女」の顔。まだあどけないジェシの輝く一瞬。一日一日、その時を大切に生きる彼女らのいとおしい日々を描く物語集。 エリンの母ソヨンの素顔を描いた単行本未収録短編「綿毛」収録。

青い鳥文庫
青い鳥文庫版 獣の奏者1巻

著者:上橋菜穂子
絵:武本糸会

10歳の少女・エリンは、母親との二人暮らし。母のソヨンは、凶暴な生き物である「闘蛇(とうだ)」の世話をしているが、ある日、その「闘蛇」がいっせいに死んでしまう。その罪に問われて捕らえられるソヨン。けっして人に馴れない、また馴らしてもいけない獣とともに生きる運命をせおった、エリンの壮大な物語の幕開け。解説は、「黒魔女さん」シリーズの作者・石崎洋司氏。

青い鳥文庫版 獣の奏者2巻

著者:上橋菜穂子
絵:武本糸会

母を失った少女・エリンは、蜂飼いのジョウンに助けられ、ますます生き物に心をひかれる日々を送っていた。いつしかエリンは、王獣の医術師になりたいという思いを抱くようになる。14歳になったエリンは、ジョウンのすすめで、カザルム王獣保護場の入舎ノ試しを受けることに。巻末には、作者・上橋菜穂子氏と、「黒魔女さん」シリーズの作者・石崎洋司氏との作家対談〈前編〉を収録。

青い鳥文庫版 獣の奏者3巻

著者:上橋菜穂子
絵:武本糸会

傷ついた王獣の子・リランを救おうとしていたエリンは、ある夜、竪琴の夢を見る。ついに、リランと心を通わせたエリンを待ち受けていたのは、苛酷な運命だった。王獣を操る術を見つけてしまったエリンは、王国の命運をかけた争いに巻きこまれていく。 巻末には、上橋菜穂子氏と石崎洋司氏の豪華作家対談〈後編〉を収録。

青い鳥文庫版 獣の奏者3巻

著者:上橋菜穂子
絵:武本糸会

王獣を操る術を見つけてしまったエリンに、いつの頃からか、その力を政治的に利用しようとする陰謀の手がしのびよる。闘蛇を操ることを大罪だといって世を去った母の言葉の真意とは? そして、人と獣との間にかけられた橋が導く絶望と希望とは? けっして人に馴れない、また馴らしてもいけない獣とともに生きるエリンの壮大な物語、いよいよクライマックスへ!

青い鳥文庫版 獣の奏者5巻

著者:上橋菜穂子
絵:武本糸会

<降臨の野>での奇跡から11年後――。
ある闘蛇村で突然<牙>の大量死がおこり、エリンはその原因をつきとめるよう命じられる。母との遠い記憶をたどりながら、<牙>の死の真相を探るうちに、エリンは、知られざる闘蛇の生態、そして歴史の闇に埋もれていた驚くべき事実に行きあたるのだった。母となったエリンの新しい旅が始まる!
解説は松田哲夫氏。

青い鳥文庫版 獣の奏者6巻

著者:上橋菜穂子
絵:武本糸会

最古の闘蛇村に連綿と伝えられてきた遠き民の血筋、リョザ神王国の王祖ジェと闘蛇との思いがけないつながり、そして、母ソヨンの死に秘められていた強い思い……。みずからも母となったエリンは、すべてを知ったとき、母とはべつの道を歩みはじめるのだった。巻末には、上橋菜穂子氏とブックコメンテーター・松田哲夫氏の対談〈前編〉を収録。

青い鳥文庫版 獣の奏者7巻

著者:上橋菜穂子
絵:武本糸会

エリンは、王獣保護場で、ジェシとのかけがえのない時間を過ごしながら、王獣の生態を探究し、王獣部隊を育成するための訓練をくりかえしていた。王獣たちを解きはなち、家族とおだやかにくらしたいと願う、エリンの思いはかなうのか。
巻末には、上橋菜穂子氏とブックコメンテーター・松田哲夫氏の対談<後編>を収録。

青い鳥文庫版 獣の奏者8巻

著者:上橋菜穂子
絵:武本糸会

はるか東方の隊商都市群の領有権をめぐって、騎馬の民ラーザとの戦いは激しさを増していく。エリンは、息子ジェシと過ごす時間を大切に思いながらも、 王獣たちの訓練を続けるのだった。王獣が天に舞い、闘蛇が地をおおい、<災い>がついにその正体を現すとき、物語はおおいなる結末をむかえる。大長編ファンタジーシリーズ堂々の完結巻!

【青い鳥文庫サイト】
http://aoitori.kodansha.co.jp/special/kemono/

コミック
シリウスKC

漫画:武本糸会
原作:上橋菜穂子

母が指笛を吹いた時、彼女の運命が始まった――!

エリンは、獣ノ医術師である母・ソヨンと暮らす好奇心おう盛な十歳の少女。
だがある日、母が世話している戦闘用の獣・闘蛇(とうだ)が全て死んでしまった!
母はその責任を問われ、裁きにかけられることになるがーー。
「精霊の守り人」などで知られる上橋菜穂子の原作を、武本糸会がコミカライズ!
手触りと、温かみのある極上ファンタジーがここに!!

漫画:武本糸会
原作:上橋菜穂子

白銀に輝く美しい獣
エリンは偶然、「王獣」と出会うーー!

死にかけのところをジョウンに拾われたエリン。
蜂の世話をしながら穏やかな日々を暮らしていた。
ある時、カショ山の峡谷で真王の象徴といわれる「王獣」と出会い、その美しさに心を奪われる!
一方、王宮では、王族の護衛士であるイアルが、<血と穢れ>による真王の暗殺を危惧していた。
王獣、真王、闘蛇…ゆるやかに絡み出す運命の糸。
国の根幹をなす「獣」に魅せられた少女・エリンの第二幕が始まる!

漫画:武本糸会
原作:上橋菜穂子

エリンの新たな旅立ち
獣ノ医術師を目指して!

ジョウンとの穏やかな暮らしが過ぎ、14歳になったエリン。
だが、ジョウンの息子が現れ、王都へ戻ってきて欲しいという!
恐れていた出来事にエリンは……。
そして、明かされるジョウンの意外な過去。
新たな転機に立たされたエリン。
だがそれは、彼女の人生の目標を発見するものでもあった!

漫画:武本糸会
原作:上橋菜穂子

死にかけの幼獣・リラン
その命を助けたい――!

カザルム学舎での生活に慣れてきたエリン。
そんな頃、餌を食べない死にかけの幼獣・リランに出会う。
親から引き離され、けがを負った王獣――。
その姿に胸をつかれ、エリンは野生の王獣を見た経験からリランの世話係に志願する。
なんとか救いたいというエリンの願いは届くのか?

2011年4月8日(金)発売のシリウスKC「獣の奏者」4巻についてのお詫びとお知らせ

漫画:武本糸会
原作:上橋菜穂子

人と獣の絆が生む起こりえぬ奇跡!
理解しあうことの難しさを越えて――。少女・エリンの強い気持ちが新たな道を開く!

人と獣を繋ぐもの――その見えない想いを信じて!
元気になったリランとの穏やかな日々。だがある日、エリンはリランが言葉を理解しているのではないかと思いだす。王獣という未知の獣と、ひとつひとつ絆を深めていくエリン。そして、その絆が驚きの事実を導き出す!

漫画:武本糸会
原作:上橋菜穂子

命の芽生えが運命の出会いを紡ぎ出す!
野生の王獣・エクが引きよせた真王(ヨジェ)とイアルとの出会い──!

怪我をした野生の王獣・エクとも竪琴で会話を成功させたエリン。だが、それが驚くべき出来事を生み出した! そして喜びもつかの間、卒舎の時期を迎え……。真王、イアル、ユーヤン……出会いと別れの交錯する第六巻!

漫画:武本糸会
原作:上橋菜穂子

突然の襲撃! 真王(ヨジェ)の危機にエリンは──

王獣と意思疎通ができることを秘したまま、真王をカザルム学舎に迎えたエリンたち。だが、ダミヤがエリンを気に入り……。そして、行幸の帰路で真王が闘蛇兵に襲撃されてしまう! リランに飛び乗り救援に向かったエリンは──。王獣の真の姿が発覚する激動の第七巻!

漫画:武本糸会
原作:上橋菜穂子

突きつけられる真王の言葉。
穏やかな日々の終わりは動乱の幕開け――

真王を襲撃から救った礼としてカザルム侯の館へ招かれたエリン。 リランに乗って王宮まで警護して欲しいとの言葉を賜るが――。 そして、予期しない不幸が状況を悪化させる…! ねじれた真王と大公の関係はこれを機に大きく変化する!

シリウスKC 獣の奏者(9)

漫画:武本糸会
原作:上橋菜穂子

王獣で王宮を警護せよ──
逃れられない命令と、隠された陰謀の果てに……

リランたちとともに王都へ移動したエリン。軟禁状態のまま、ダミヤに王獣を武力として利用したいと聞かされる。エリンは、王獣をあやつる技は自分にしかできないと伝え、その証明をすることになったが……。一方、イアルは先代の真王・ハルミヤ暗殺の裏にいる人物を突き止めた。だがその矢先……。エリンとイアル、二人の関係が交差する第九巻!

シリウスKC 獣の奏者(10)

漫画:武本糸会
原作:上橋菜穂子

王祖ジェにまつわる真実
それを聞いたセィミヤは…

襲われたイアルを介抱するうちにセィミヤに会うすべを聞いたエリン。一縷の望みを抱いてセィミヤに全てを告白するが……それはこの国をひらいたジェの物語でもあったーー。全てを知ったセィミヤの下した決断は……!? 終章に向かう緊迫の第十巻!

シリウスKC 獣の奏者(11)

漫画:武本糸会
原作:上橋菜穂子

エリンとリラン
二つの生が響きあうその時──!

真王(ヨジェ)と大公(アルハン)の雌雄を決するその時、降臨の野(タハイ・アゼ)でセィミヤが見たものは──。そこから生まれた決心がこの国の歴史を動かした……! そして、セィミヤとこの国を守るため、エリンはリランとともに飛ぶ! 獣を愛し、心を通わせたいと願い続けた少女の物語がここに完結する!!

©上橋菜穂子/武本糸会 講談社

『物語ること、生きること』上橋菜穂子

上橋菜穂子(うえはし なほこ)プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部卒業、立教大学博士課程単位取得退学(文学博士)。
女子栄養大学助手を経て、現在、川村学園女子大学教授。
専攻は文化人類学で、オーストラリアの先住民アボリジニを研究。

著書に、『精霊の木』『月の森に、カミよ眠れ』(日本児童文学者協会新人賞)、『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞、全米図書館協会バチェルダー賞)、『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞、バチェルダー賞オナー)、『夢の守り人』(『精霊の守り人』『闇の守り人』と3作合わせて路傍の石文学賞)、『虚空の旅人』(『精霊の守り人』『闇の守り人』『夢の守り人』『虚空の旅人』と4作合わせて巌谷小波文芸賞)、『神の守り人』(小学館児童出版文化賞、児童福祉文化賞、JBBYオナーリスト)、『蒼路の旅人』『天と地の守り人』『狐笛のかなた』(野間児童文芸賞)『獣の奏者』<I 闘蛇編><II 王獣編><III 探求編><IV 完結 編>などがある。
『獣の奏者』1〜4巻のうち、1・2巻は、フランス、ドイツ、スウェーデン、タイ、韓国、台湾で翻訳出版されている。