講談社BOOK倶楽部

日御子 帚木蓬生

『日御子』

著者:帚木蓬生

日本人のルーツを壮大なスケールで描く、書き下ろし歴史ロマン小説

はるか昔、倭国の平和のために海を越え大陸をめざした人々がいた。それは、失われた歴史をつむぐ朝貢の旅。いまにつながる、この国のはじまり。

使譯(しえき/通訳)一族に伝わる四つの教えが、国を和の心へと導く――。

人を裏切らない。
約束は守り、恩や親切を受けたならば、返さなければならない。
人を恨まず、戦いを挑まない。
恨んで戦うと、天の恵みが受けられなくなる。
良い習慣は才能を超える。
絶え間ない良い習慣があれば、才能など何の重みもない。
骨休めは仕事と仕事の転換にある。
仕事の中味を変えるのが、骨休めなのだ。

★『日御子』
著者:帚木蓬生
定価:本体1,800円(税別)

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【内容紹介】 代々、使譯(しえき/通訳)を務める安住一族の子として生まれた針(しん)は、 病床の祖父から、那国が漢に使者を遣わして「金印」を授かったときの話を聞く。 それは、「倭」の国が初めてその名を歴史に刻まれた出来事。 祖父が聞かせてくれる物語に、針は胸震わせ遠い過去に思いを馳せた。 それから十数年が経ち、再び漢へ遣いを出すことになった。こんどは針の番だった。 伊都国の使譯として正式に任命されたのだ。5隻の船に数多の生口(奴隷)を乗せ、漢 の都・洛陽へ。 ──その後「倭国大乱」「邪馬台国」そして「東遷」へと、代々の使譯たちの目を通 じて語り伝えられていく日本の歴史。 いま我々が手にしている平和の源流は、こんな昔にあった。
帚木蓬生インタビュー「九州説を取った三つの理由」

2〜3世紀頃 倭国想像図(制作/ジェイ・マップ)

反響続々!!  古代歴史ロマン旅行をした、読者の声!

  • 歴史に埋もれ、誰も知らなかったこの国の始まりが、目の前で鮮やかにひらけていくさまを、夢中で追いかけました。(岩手県 20代女性)
  • 朝貢の旅は、情景が丁寧に描かれ、大陸への憧れと希望に溢れていて、ワクワクしながら、ともに旅をするような気持ちで読みました。(福岡県 30代女性)
  • いま現在を生きる私たちの、これからあるべき姿を示唆してくれる。「人」とは何か、「国」とは何かを突きつけられたような気がします。(高知県 40代女性)
  • まるで現実の旅行記を読んでいるかのような気持ちになったり、登場人物たちと一緒に旅をしているような気分になったりする。(東京都 30代男性)
  • 〈あずみ〉一族に残る3つの教えと、「骨休めは不必要」という生きる姿勢。日本人の温和で勤勉な性格の元を見たような気がし、胸が熱くなる。(東京都 40代女性)
  • 謎の多い倭国の時代の空白が、帚木さんの手でリアルに生き生きと埋められていく様子に、読み進めるごとに引き込まれていきました。(佐賀県 40代女性)
  • 本当に弥生時代の倭国や楽浪郡から漢の都・洛陽を旅した気分になりました。針が朝貢使節として朝鮮半島に渡るときは手に汗を握りました。(栃木県 40代男性)
  • 時代を超えて大切にしたい日本人の心が、物語の登場を介してよく伝わってきて、続編が読みたくなった。(宮城県 30代男性)
  • よい紀行文のように、読者を古代の国々への旅にいざないます。読後は寂寥感と爽やかさが心に残ります。(滋賀県 40代男性)
  • 滔々と流れる歴史の中で生き、教え、育み、繋がってきた倭の国の先に、今の自分の命がある。誇りを持った生き方をしたいと思わせてくれる一冊だった。(群馬県 30代女性)
  • 物語が進むにつれ、作品に登場する日本人たちと地続きであることを誇らしく思い、彼らの子孫でありたいと願うようになる。(京都府 20代男性)
  • 見ていたとしか思えない精細な描写に驚きを感じる。失われた歴史を紡ぐ著者は〈あずみ〉に違いない。(東京都 40代男性)
  • 邪馬台国って関西でしょ? と思ってましたが、もう断然九州説です! 古代史がにわかに気になりだす、すべての倭人(日本人)に読んでほしいです。(東京都 30代女性)
  • かつて日本古代史の中で、ここまで練り上げられたストーリーがあっただろうか? 邪馬台国を軸に神武東征に及ぶ謎を、使譯一族を通して語る壮大さに圧倒される。(徳島県 40代女性)
  • 中国に赴く倭の人々が、重責をどのように感じ、いかなる感慨を抱いたのか、これほどまでに鮮やかに描いた小説を、今まで見たことがありません。(京都府 20代女性)
  • 壮大な歴史ロマン小説というより、邪馬台国・弥生時代の歴史書と言ってもおかしくないくらいの内容。旅の行程が非常に興味を持たれます。(福岡県 70代男性)
  • 和を尊ぶ日本人のルーツを辿ることができた。使譯たちが命を賭して継承してきた4つの教えは、われわれ日本人のDNAとして刻みつけられている気がする。(千葉県 50代男性)
  • 現代にも通じる「あずみ」の教えに深く共感した。彼らが、人生の最後に子や孫に教えを語り継ぐ場面では、何度も何度も涙がこぼれた。(福岡県 30代女性)
  • 聞く力、言葉の重み、人の道、数多くの心に残る文章がありました。読み返すたびに、何かを考え、見つけられそうな作品でした。(神奈川県 40代女性)
  • 金印の表記、埋められた理由などが語られたとき、自分も一緒にその場にいたような既視感を覚え、鳥肌が立ちました。(愛知県 40代女性)

著者:帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)

1947年福岡県生まれ。
東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。1993年に『三たびの海峡』で第14回吉川英治文学新人賞、1995年『閉鎖病棟』で第8回山本周五郎賞、1997年『逃亡』で第10回柴田錬三郎賞、2010年『水神』で第29回新田次郎賞、2011年『ソルハ』で第60回小学館児童出版文化賞、2012年『蠅の帝国 軍医たちの黙示録』『蛍の航跡 軍医たちの黙示録』で第1回日本医療小説大賞を受賞。現在も医師を続けながら、精力的に執筆活動に取り組んでいる。近著に『聖灰の暗号』『インターセックス』『風花病棟』など。