「X県にだけは足を踏み入れるものか。こんな田舎いやだ! でも、ありそう……あるのかも……?」と、初めてこの物語を読んだとき、その不気味さに心がざわついたことが忘れられません。そして、読んでいるときは終始、怖さと面白さに原稿を置くことができませんでした。怖いだけではない、爽快さを持った物語なのです。また、女性の息苦しさや葛藤も描き込まれていて、共感する部分もたくさんありました。この濃密な小説の装画に、イラストレーターのさやかさんが、ゾクゾクする素晴らしい絵を寄せてくださいました。読後見ると怖さ倍増です! ぜひお手にお取りください。
【文芸図書第三出版部 担当 丸岡】