講談社BOOK倶楽部

駅物語 朱野帰子
反響&続々重版御礼!

『駅物語』朱野帰子

奇跡を接続する人たち――その涙。

この物語を読むと、毎日の通勤、通学や移動が、ちょっと素敵になると思います。

『駅物語』
著者:朱野帰子
装画:北極まぐ
定価:本体1,400円(税別)

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「大事なことを三つ言っとく。緊急時は非常停止ボタン。間に合わなければ走れ。線路に落ちたら退避スペースに入れ」 酔っぱらう乗客、鉄道マニアの同期、全自動化を目論む副駅長に、個性的すぎる先輩たち。毎日100万人以上が乗降する東京駅に配属された若菜は、定時発車の奇跡を目の当たりにし、鉄道員の職務に圧倒される。臨場感あふれる筆致で駅を支える人々を描き切った書き下ろし長編エンターテインメント。

著者メッセージ
『駅物語』は、私の中で「のりものシリーズ第2弾」ともいえる小説です。その第1弾『海に降る』は一般の人が乗ることのできない深海潜水調査船をめぐる物語でした。今回は反対に、誰もが乗ることのできる、むしろ乗らざるを得ない“通勤電車”が主役です。舞台は多くの新幹線や在来線が発着する“東京駅”……。「電車と駅がテーマか、なんか地味だな」そう思われるかもしれません。私も書きはじめる前はそう思っていました。ドキドキするポイントがわからずに途中で投げ出したくなったこともあります。しかしそんな時、ふらりと乗った〈東京行き〉の中央線快速、その先頭車輌から見えた景色が、私の世界観をがらりと変えてしまいました。その時見えた景色がどんなだったのか、ぜひ『駅物語』で体験してみてください。深海にまで行かなくてもドキドキする乗り物はすぐ近くを走っている……そんな風に感じていただけたらとても嬉しいです。
朱野帰子(あけの・かえるこ)
1979年生まれ。2009年『マタタビ潔子の猫魂』(メディアファクトリー)で第4回ダ・ヴィンチ文学賞を受賞しデビュー。既刊に、有人潜水調査艇と深海を描いた『海に降る』(幻冬舍)、高齢化社会におけるブラック企業を描いた『真実への盗聴』(講談社)などがある。徹底的な取材と軽快な筆さばきで、読者に知らない世界を見せてくれる、いまもっとも注目される作家の一人。

反響御礼!

■■■三省堂神保町本店 村林幸子さま
駅員て大変だと思っていたけど、こんなに大変だとは思わなかった!!通勤電車で読んでいて駅員さんにはやさしくしようと思いました。駅員の仕事をしようと思っている方には、まずこれを読んでから考えてみて欲しい。私なら1日でへこみます。犬塚君もいいけど、藤原さんもステキですね。
■■■精文館書店中島新町店 久田かおりさま
鉄に詳しくない自分読みこなせるかな…と最初は少々不安だったのけど、読み始めたらもう、ぐぐぐぐっと引き付けられて。昨日と同じ今日、今日と同じ明日、明日同じ…と毎日同じことが繰り返される、いや繰り返されなければならない場所、それが「駅」。そんな「駅」で日々起こる、小さいけど悲しいできごとと、それを奇跡に変える「優しさ」。いつもと同じ一日が少し輝く奇跡の物語になるのは、人の優しさと勇気があるから。そう、人がいてこその、奇跡。読み終わって本を閉じたら、電車が、駅が今よりも少し好きになる、そんな一冊でした。
■■■MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店 中村優子さま
こんなに素敵な小説を届けていただき、本当にありがとうございます!! 朱野さんの本は初めて読みましたが、今まで自分が勝手にイメージしていた朱野さん像をいちからぬりかえねば!!と反省。 鉄道者の小説で、ありそうであまりなく、たまにあっても“いい話”で終わってしまうのを、私たちが日頃感じていた鉄道での出来事、理不尽さや駅員さんへの同情の『元』の部分を、誇張しすぎず、なおかつ光を見せてくれる、という絶妙な巧さで仕上がっていました。これは何としても売りたい!!
■■■三省堂書店営業本部 内田剛さま
様々な運命を乗せて走る電車、そしてあらゆる人生が交差する駅……「当たり前」が「命懸け」。ひたむきな感情と一途な想いも眩しく、熱い血の通った「人間」と「鉄」との物語でした。雑踏の中に、はっきりと聞こえる魂の叫び。信じることは尊いこと――。「人の力」を存分に感じることのできる「作品の力」に心の底から感激した。この、とびきり爽快な読後感は、とにかく素晴らしい。デビュー作から注目していましたが、渾身の力で人間そのものを描いた本作が新しい「起点」となることを確信します。
■■■文教堂浜松町店 大浪由華子さま
駅にはこんなにもたくさんの気持ちやできごとが詰まっていたんですね。読むだけでもう、気持ちがいっぱいいっぱいです。
■■■旭屋書店なんばCITY店 城崎友博さま
100万人が利用する東京駅。自動券売機、自動改札にホームドア。やってくる列車はワンマンカー。どんどん機械化は進んでも、やっぱり中は人間なんですね。 毎日色々な人々が行き来するステーション。この人間模様は、無限に広がるはずです。 鉄道マンを描く鉄道小説が幕を開けてもいいと思いました。

全国各地から、多くの感想をいただきました!

京都府
30代
女性
今年もすでに何十冊と読んでいますが、今一番のおススメ本になりました。世界一正確で、とんでもなく人が多くて、人情も欲望も、後悔も希望も、友情も痴話ゲンカも、古いものも新しいものも、涙も笑顔も、毎日あふれている東京駅。私にとっては通り過ぎるだけの場所だと思っていた東京駅でしたが、私にも私の『駅物語』があったのだと気が付きました。学生時代も、結婚してからも。我が家にも多少「テツ分」多めの息子2人がいるので、小さい頃は東京駅に行くたびに興奮ぎみだったことも、懐かしく思い出しました。(今でも男性陣3人は遠出するだけで時刻表を見て楽しそうです)発売日のころはちょうど帰省のために東京駅で乗り換えをする予定。ホームも改札も駅員さんも、読む前とは違った東京駅を感じられるような気がします。
愛知県
20代
男性
これぞ朱野帰子の書くリアリティだ。読む毎に、その人が自分の中で出来上がっていくようで。実際に相手と会って、少しずつ知り合っていく様とよく似た感覚が本作には有り、そのおかげで、とても深く、彼らの物語に入り込めました。仕事を好きになるよりも、仕事をする自分を好きになる事の方が、本当は大切なのかも、そう感じた一冊でした。
愛知県
40代
女性
身近にある『駅』、毎日ここで他の人は気付かなくても、いろんなドラマが起きているんだなぁと思いました。東京駅だけでなく、私の近所の田舎の駅でもきっと…犬塚さんも藤原さんも、そして由香子さんも、素敵です。直さんも、もちろんですが、特に由香子さん、人は見た目じゃないよねって、とっても思います。 私も流されて、成り行きで生きるのではなく、奇跡はおきなくても、進む方向、道をきちんと選んで進みます。
普通の日常。私もそれを作っている一人。当たり前の毎日を当たり前に過ごしていけるのは、実はとても幸せで、でもとても大変なこと。
その中で幸せを見つけます。探します。
ありがとうございます。とてもよい本でした。
兵庫県
30代
女性
十年ほど前に駅員や車掌をしていました。舞台が駅とあって、甘酸っぱい想いやくすぐったい記憶、自分が到底務まりそうもない大都会の巨大駅の駅務に眩しい憧れのようなものを感じながら読み始めました。
通り過ぎるだけの駅ですれ違うだけなのに、どこかで関わり合いを求めることのある人達。職場として選んだ駅で好むと好まざるに拘わらず、関わり合わざるを得ない人達。あのとき駅で強さ優しかを見せたあの人が、今日は駅で誰かを傷付けている。そして本人も傷ついている…そんな人間の悲しみや可笑しさ、醜さや憐みも慈しむように描かれているようでした。
脆くても、強く社会に関わっていかなければならない、そして強く関わることができてしまう人間。不器用だけど前向きに生きたいともがく人間の愛おしさを見た気がしました。
神奈川県
20代
女性
身近だけど意外と知らない鉄道の世界、魅力的な登場人物、楽しんで読めました。
駅員という存在は、制服のせいか、個人としてではなく、駅の一部のような感じで見てましたが、当然そこには個人の顔があり、物語があるんだなと気付かされました。
生きてる人間がいるからドラマも生まれるし、奇跡も起きる。
機械化が進めば効率的だろうけどちょっと味気ない。
この小説からは鉄道で働く人達のプライドが感じられました。
これからは駅員さんを見る目がちょっと変わっちゃいそう。
もうちょっと、この登場人物たちのストーリーを読み続けたかったです。
兵庫県
10代
女性
この本を読んで改めて"日本ってすごい"と思いました。普段、何気なく乗っている電車だけど、裏では、こんな風に頑張って支えてくれている人がいるんだって思いました。毎日の通学の中で思わず、辺りをキョロキョロしてみたり、多少電車が遅れても、駅員さんたちは頑張ってくれてるって思えたり、毎日の始まりや終わりを優しい気持ちになれている気がします。そして、人の熱意、温かみというものも感じた気がします。私は、すべてがロボットや機械任せになるのではなく、若菜さんがロボットを見守ってあげたように、ロボットと人が共存していって欲しいです。
福井県
60代
男性
この作品の魅力は駅の中の出来事が、人間の行動パターンをいろいろ見せてくれることで、現代の人間模様が浮き彫りにさせていることである。主人公のひたむきな働き方が、職場での人間関係の構築まで考えさせてくれた。駅は私には、そんなに重く考えたことは無いが、この小説を読んで、人のざわめき、行きかう人、駅員等もう一度考えるようになった。朱野さんの小説世界を心から印象的に各トピックスを重ねることで、読後楽しい気持ちにさせてくれた。今後とも良い作品をよろしくお願いします、期待しています。
栃木県
40代
男性
「乗り越えたことがない人間は自分に自信がない。空っぽなんだ。それを埋めようと自分以外の誰かを思い通りに動かしたくなる」という出雲の言葉にふと目を止めた。そして、もう一度読み返して、過去の自分を噛みしめている、今では、その頃よりは自信がついた自分を確認した。
過去の自分は犬塚の気持ちが理解できた。先入観を鎧とし、他人との対話を極力拒み、自分の思う方向へ、事を進めるための画策を、たった一人で行っていた。しかし壁は、組織という巨体と圧倒的な風圧ですぐに襲いかかってきた。若菜ほど積極的なふりはできなかったので、よく言えば、藤原のような一匹狼を気取り、自分で諦めかけていた。そんな自分を常に誰かが支えてくれたり、見守ってくれたりしたことで、橋本のひたむきさを思い出すことができた。形が見えないくらい、小さな自信の欠片が、時間が経つにつれ、結晶化し、やがて、自分の口で「自信はあるえええ」と言えるようになってきた。
もう二度と会うことがないかもしれない人々が行きかう駅。そこで生まれる物語達。何かを乗り越えようとする、空っぽで、優しく、純粋な鉄道員に見送られながら、人生の旅に出発しようではありませんか。
東京都
40代
女性
これからは駅に行ったら、電車や駅と一体となって個人としては認識していなかった駅員にまずは目がいってしまうでしょう。
ホーム監視をしているのは、昨夜彼女にプロ ポーズをした駅員かもしれない。
改札で乗客に乗り継ぎ案内をしているのは、鉄道大好き駅員かもしれない。そんな想像をしながら、つい若菜や犬塚たちがいるのではないかと、探してしまいそうです。
電車の中は読書を楽しむ時間にしていましたが、先頭車両から線路を眺めたり、マンウォッチングするのも楽しそうだな、と思えました。鉄道が大好きな人にとっては、駅は単なる通過点ではないのですね。当然のことですが、視点が違えば見え方も感じ方も違う。さまざまな人が行きかう駅はまさに物語が満載。駅から広がっていく線路のように物語が広がっていくさまは見事でした。
「我々が乗客に提供すべきものはただひとつ。いつもと変わらない一日だ。」という松本助役の言葉が一番心に響きました。普段と変わらない生活を送れることがどんなに幸せなことであるか、つらい経験をした彼だからこその言葉。なんでもない穏やかな日常を大切にしたいな、とあらためて思いました。
埼玉県
10代
女性
自分も毎日利用している「駅」という身近な空間。その中に溢れている十人十色の物語。余りにも近すぎて、いつもは気付けないそれらの物語を優しく紐解いた、素敵な「駅物語」の数々でした。
まず、駅員という仕事内容の大変さに驚きました。運賃計算、路線図…と覚えることの多いこと! 十の四十乗にもなる乗り換えの多様さにも驚愕。「駅員さんに聞けば大丈夫」という安心感の裏には、駅員さんの弛まぬ努力に敬服しました。
そして何より、私たちが普段当たり前だと思っている定刻発車の大変さ!乗客は一分一秒の遅延さえ気にするけれど、それは平常時の駅員さんたちの努力のお陰であることを改めて知りました。いつも完璧じゃないと、遅延を気にすることもないから。
私はこの物語を通して、駅は人の数だけある想いが行き交う素敵な場所であるということを知りました。それまで毎日利用していたのに、そのことに気付かなかったのが恥ずかしいくらいです。日常に埋れた小さな物語…探せば幾らでもあるその物語に何年も耳を傾けなかったことを後悔さえしています。けれど、その存在に気付いた今、明日からの毎日が今までよりも少しだけ楽しくなりそうな気がします。すれ違う人々のぶんだけある物語に少しだけ想いを馳せながら、駅員さんの姿をいつもより長く視界におさめながら、これからも駅を利用します。
「精巧に溶接された線路の継ぎ目、それでも生まれる空隙を車輪は乗り越えて行く。恐ろしい力強さで」
…素敵な言葉だと思いました。私も直と同じように、こんな人になりたいです。
「現実はいつかきっと夢に変わり、誰かの夢と接続する」
北海道
30代
女性
日々の通勤で、駅にいる時間。
ホームで列車を待つ時間。
そしてアナウンスや遅延等のお知らせ、対応。
今までとは違った見方ができるような気がしています。
それが正しいか正しくないかは別として。
来月、関東に行きます。
山手線しか使わない予定ではありますが。
今回、主役だった「駅」と「駅員さん」。
それに注目して、旅を楽しみたいと思います。
山形県
10代
女性
私も今年の春から高校生になり、汽車通学をすることがあります。ローカル線なので1〜2時間に一本しかなく駅員さんも駅というよりは汽車の中にいる状態です。都会の駅とはかなり違いますが、もっと身近に存在する駅員さんになんだか明朝会うのが楽しみになってきました。毎日のほんの少しの出会いが、私を、周りの友達をも巻き込んで素敵な出会いに導いてもらえたと現実と本を読んでいる時の私を行ったり来たりさせます。 読み始めたら夢中になってしまいました。帰子先生の作品、とても好きです。これからも応援しています。
千葉県
30代
男性
駅を利用して学校や職場に行く。 あまりに日常に融けこみすぎた当たり前の風景になっている。
だからこそなのか、その当たり前のために、骨身を削って働いている人たちがいることをつい忘れてしまう。 電車が駅に着くのが少しでも遅れれば、つい舌打ちしてしまったり、何やってんだよと、心の中で毒づいてしまう。
「駅物語」に出てくる、クレイマーと自分をつい比較してしまい、人事ではないなと恥ずかしく思った。
日本の電車の時間の正確さは世界一だと聞いたことはあるが、それは駅で働く人々の血と汗の結晶なのだ。
日常が日常のまま、確実に進むことができることは、どれだけの人の上に築かれた、「非」日常なのか。
読み終わったあと、先頭車両の運転台後ろに立ちたくなる。そんな本でした。
僕のように、駅や電車に対して、特別興味のない人こそ読むべき本だ、と感じました。
非常におもしろかった。
神奈川県
50代
男性
[1]自転車通勤の広島から電車通勤の鎌倉へ転勤した身・[2]単身赴任時代に息子・娘に会いたい父親だった身・[3]酔っ払いのサラリーマンを脱した身、自身が斯様な生活変遷を経て来た者として『駅物語』は全身に訴え来るものに溢れています。好いタイミングで良書に出会えた僥倖、正に「車窓からの風景が違って見えるようになった」事を嬉しく実感し、家族への輪読に回します。ここで気づきました。かつて、有人潜水調査船「しんかい6500」を造り、乗り込んでいた私にとっては、『海に降る』の著者:朱野帰子氏とは本の世界での再会でした。思い出しました。その取材力に舌を巻き、にもかかわらず一気呵成に読み進んでしまう爽快な面白さ。読み終えてしまうのが実に惜しい。かまびすしい内外世界に取り囲まれている私たちが、一つ二つ深呼吸をして味わいたい物語でもあります。
東京都
40代
女性
駅、とてもたくさんの人々が行き交う場所。私もその利用者のひとりです。
そんな駅で働く駅員の女性の物語ですが、深く考えさせられるものがありました。
自分はあくまでも利用者の立場でしかないため、駅員の方のご苦労とか事情とか考えることもなく、快適に利用できるのが当たり前という気持ちでいた事実に少し反省させられました。
どんなに時間通りに運行することや事故のない状況を守ることが大変なのかあまり考えたことがありませんでした。
日本の鉄道会社はとても優秀で素晴らしいということは認識していましたが、それが当然だという気持ちでいたかもしれません。
とてもとても沢山のいろんな人が集まる場所で安全に時刻通りに運行することの難しさは並大抵のことではないことがこの物語を通してよく理解できました。
駅員の方たちにも駅利用者にもそれぞれにいろんな事情があり、感情があり、複雑に時間や場所が絡んで問題が起きたり解決したり。。。
人間が複数いればそれだけ複雑になっていき、何事もない日々がどれほど貴重で稀なことなのか、毎日自分たちは知らないだけで沢山の問題が起き、それを鉄道に携わる方たちが捌きながら鉄道は運行しているのですね。
若菜さんの弟さんが「駅は奇跡の起きる場所」と目を輝かせながら言う姿がとてもかわいらしく素敵です。
今もどこかの駅できっと素敵な奇跡が起きているように思えます。
これからは駅で働く方たちをもっと尊敬して感謝して駅を利用したいと思います。 素敵な物語をありがとうございました。
徳島県
50代
男性
いやはや、忙しさの中でも本は読めるものですね。
思わず、読み続けてしまいました。気がつくと体と首と背骨が固まったような,鈍い圧迫感が残っていました。一気に読めましたね。楽しかったです。疲れましたが、・・・。
良いですね。駅の中の出来事が次々と展開していく様子は,推理小説のような感じさえしました。
プロローグの弟の様子が、最後にイメージに振り返ってくる感じがしました。
若さを感じる文体と流れが,読みやすさを感じさせてくれます。5人の人を探すという一種独特な変わった設定も飽きさせずに引きつけてくれましたね。
表現が微妙に細かかったりするところがおかしさを出していますね。餃子弁当の話は、へ〜〜〜え、ってかんじですね。食べ方などを丁寧に書くところもおかしな感じ、鉄火巻きが食べられないという処理担当者の感じ方はちょっと読みながら実感が伴わないのが不思議でしたが・・・。さらりと触れて、楽しませてくれるおもしろさも感じつつ。読み切りました。 有難うございました。
神奈川県
40代
女性
「駅は奇跡が起きる場所」初めは、夢を語るふりをしていたかもしれない、弟の人生を背負って生きていたかもしれない、自分に手を差しのべてくれた人々を探し出すことが目的だったかもしれない、でも若菜は最後に気づいたんだ。若菜も駅員が大好きだということを。自分でも気づかないうちに、すでに奇跡を起こしていることを。
自分に自信がなくなった時、もう一度この奇跡の物語を読みたい。 「夢を見るのをやめて夢をかなえるために走りだした」心に響きます。
埼玉県
30代
女性
いままで鉄道や駅に全く興味がなかった。タイトルの「駅物語」も、親子や恋人が駅での永遠の別れをお涙頂戴風に展開させるありふれたストーリーかと、全く期待せずに読み始めた。するとそこには新人駅員若葉直を通して鉄度会社の苦労と厳しい現実という舞台裏を垣間見ることが出来るではないか。毎日当然のように利用している駅を支える鉄道員がこんなに命がけで職務を全うしているなんて全然しらなかった。長編にも係わらず一気に読み進めた。