講談社BOOK倶楽部

アメリカ、イギリス両amazon第1位!

カッコウの呼び声 私立探偵コーモラン・ストライク

著:ロバート・ガルブレイス/訳:池田真紀子

噂の超弩級ミステリー小説、ついに日本上陸!!

カッコウの呼び声(上)

『カッコウの呼び声(上)』
定価:本体1,900円(税別)

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カッコウの呼び声(下)

『カッコウの呼び声(下)』
定価:本体1,900円(税別)

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悩みを抱えたスーパーモデルが、ロンドンの高級住宅街のバルコニーから転落死した。自殺と推測されたが、彼女の兄が疑いを抱き、私立探偵コーモラン・ストライクに調査を依頼する。
アフガン戦争退役軍人で、心身ともに傷ついていたストライクは、人生のどん底にあった。この依頼を受ければ、少しはマシな生活が送れるようになるかもしれない。しかしそこには支払わなければならない対価があった。若いモデルの複雑な世界に足を踏み入れれば踏み入れるほど、先行きは不透明になり、事件の核心に近づけば近づくほど危険が増してゆく……。
そして驚愕の結末――『カッコウの呼び声』は、J.K.ローリングがロバート・ガルブレイスのペンネームで出版、私立探偵コーモラン・ストライクを主人公にした、世界大絶賛の初のミステリー小説です。
読者モニターコメント
ドラマの「シャーロック」を見ていた人に、最新のイギリスミステリだよと言ってすすめたい。(20代・女性)
最後まで犯人がわからない。先に先にとページを繰る手を止めさせない。(30代・女性)
誰が嘘をついているのか、全員が嘘つきなのか?(50代・女性)
ミステリー好きな人だけでなく、ミステリーをあまり読まない人にもおすすめです。(30代・女性)
ミステリー好きには伏線を読み取ってゆくのが楽しかった。久々に読み応えのあるミステリーに出会った。(50代・女性)
よかったのが主人公コーモラン・ストライクがごく普通の弱く悩める人間であったこと。それ故に感情移入しやすく、彼の心に寄り添ったり叱咤激励しながら読めました。(50代・女性)
陰惨なミステリーではなく、上質な謎解きになっていて、探偵と秘書の凸凹コンビは絶対好きになる。(50代・男性)
たくさん背負ったものがある主人公コーモランだけど、それをぺらぺらと語らず、だけど、しっかり周囲に気遣いが出来る。また仕事面では地道な調査で一切手を抜かない。深みのある、ステキな人です。惚れました。(40代・女性)
内省的で抑制的なコーモランがたまらない。ロバート・B・パーカーのスペンサーを見ているようだ。今後が楽しみになりそうだ。 (50代・男性)
主人公も曲者だけど、出てくる人、出てくる人みんな怪しすぎる。(30歳・女性)
二時間ドラマや漫画みたいな探偵に食傷気味になってきたなら、この作品を読むべき!(30代・女性)
今年のミステリー小説で最も注目される一冊になること間違いない。「ハリーポッター」の文字に惑わされてはいけない。本書は本気度100%のミステリーだ。(40代・男性)
①一度読みだしたら止められない。大事な予定の入っていない日に読み始めるべき。 ②上下巻を同時に買うべき。もう一度書店に行く時間がもったいない。 ③今年の「このミス」を待つまでもなく、いますぐ読むべき。(40代・男性)
ミステリーを楽しめる要素はすべて揃っており、新たな代表作になることは間違いない。(50代・男性)
とにかく読んでみて。絶対後悔しないから。(10代・女性)
まるで嵐が突き抜けていくようなスピードで読み終えてしまいました。伏線回収がお見事!! 探偵ストライクシリーズ、2作目以降も期待大です。(40代・女性)

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外国メディア

イギリスの書評より

ときに、大衆の心を一気につかむ私立探偵が現れることがある。
[ガルブレイスは]ロンドンの街を舞台に、新しいヒーローを誕生させた。(デイリー・メイル)

しっかり練り上げられた筋と語り口。(ガーディアン)

驚くほど生き生きとしていて、ユーモアがある。(デイリー・テレグラフ)

おもしろくてたまらない、とてもよく出来たミステリー。(ミラー)

アメリカの書評

ロバート・ガルブレイスは非常にエンターテインニングな本を書いた…素晴らしいのは、ストライクという魅力的な主人公を作り上げたこと。シリーズ化されたら彼はスターになること請け合いだ。サスペンスの連続でページを繰る手が止まらない。極めつけは、ストライクと秘書のロビンがコンビを組んだこと。彼らのさらなる冒険を、読者は待ち望んでいる。(ニューヨーク・タイムス)

読者をひきつけてやまない探偵小説。(ブルームバーグ)

ウイットに富み、ハラハラドキドキのミステリー……『カッコウの呼び声』は達人の傑作だ。(クリーブランド・プレイン・ディーラー)

ロバート・ガルブレイス(J.K.ローリング)『カッコウの呼び声』創作秘話インタビュー

なぜミステリーを書こうと思ったのですか? それもどうしてペンネームを使って?

J.K.ローリング

ずっと探偵小説を読むのが好きだったんです。「ハリー・ポッター」シリーズの大半も結局は、「誰が犯人なのか?」ということですよね(『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』はどちらかと言えば、その動機がテーマですが)。しかしいずれにしろずっとリアルなミステリーを書いてみたかったんです。 ペンネームに関しては、ミステリーという新しいジャンルで、作家キャリアの出発点に戻ることを切望していました。過大な宣伝や何の期待も持たれずに書いて、本当にありのままの評価を受けてみたかったんです。それは素晴らしい経験でした。ただもうちょっと長く正体がバレなければよかったのにとは思っています。

どうして男性として書くことを選んだんですか? 男性として書くことで文体に何か影響はありましたか?

J.K.ローリング

現在の自分からできる限り離れた作家像が必要だったんです。ですから男性作家のペンネームはいい選択だと思いました。これは誇りに思っていることですが、私の担当編集者デイヴィッド・シェリーは『カッコウの呼び声』を私が書いたと知らずに読んでいて、そのあとで私が書いたと告白したんですが、彼が最初に言ったことは「これを女性が書いただなんて考えてもみなかった」ということでした。どうも私は自分の内なる男性を解放することに成功したようですね!

『カッコウの呼び声』を書くために何か取材はしましたか?

J.K.ローリング

現役や退役軍人たちをインタビューしました。本当のところ、私の書いた事実関係の情報はすべて軍隊関係が取材源です。私には現役も退役も含めて軍隊に多くの知り合いがいます。その中の二人とは特に親しく、私が主人公コーモラン・ストライクの経歴について調べているとき、とても親切に教えてくれました(彼らは私がロバート・ガルブレイスの職務経歴を考えるときにも手伝ってくれたんですよ)。二人のうちひとりはSIB(英国軍の特別捜査隊)出身です。主人公のストライクは完全な創作ですが、彼の職務経歴と経験は、現実の兵士の、事実に基づく説明に裏打ちされています。
物語の冒頭で、ストライクは人生のドン底にいます。私が最も気に入っているレビューのひとつは(もちろんロバート・ガルブレイスの正体が明かされる前のことですが)、主人公のストライクは自分の状況に「自己破壊的衝動ではなく不屈の決意をもって」臨んでいる、というものです。私は、親しい軍隊関係の人たちの気質をストライクに与えました。つまり性格の強さ、ブラック・ユーモア、困難に直面した時の回復力、創意工夫の精神、などです。
膝下からの切断に関しても、膨大なリサーチをしました。またロンドンのパブにもたくさん行きましたよ。現代を舞台にした小説を創造するための取材は、大きな喜びの一部でした。

『カッコウの呼び声』のタイトルの意味は?

J.K.ローリング

タイトルはクリスティーナ・ロセッティの「哀歌」という詩から取りました。これは若くして亡くなった者に対する哀悼の詩です。タイトルには筋書と微妙に関係したもう一つの意味が隠されています。でもこれはネタバレになってしまうのでここでは説明できません。この謎解きは読者の方々の手に委ねますね。

あなたはロバート・ガルブレイスとして書き続けるおつもりですか? コーモラン・ストライクが主人公のミステリーは今後も出版されるでしょうか?

J.K.ローリング

はい、ロバート・ガルブレイスとして今後もこのシリーズを書き続けるつもりです。ちょうど2作目を書き終えたところですよ。
※編集部注:これは2013年7月19日時点でのインタビューです。最後に言及されたシリーズ2作目とは、去る6月19日に英語圏で出版されたThe Silkworm (仮邦題『カイコの紡ぐ夢』)のことです。

ロバート・ガルブレイス

J.K.ローリング(世界的ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズ、「カジュアル・ベイカンシー」の著者)のペンネーム。
本書は私立探偵コーモラン・ストライクを主人公にした初めてのミステリー小説。
同じくストライクが活躍する2作目 The Silkworm(仮題『カイコの紡ぐ夢』も2015年弊社より刊行予定。

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編集者秘話

昨年7月、世界の出版界に大激震が! “The Cuckoo’s Calling” という探偵小説を書いた新人作家ロバート・ガルブレイス、それが実は「ハリー・ポッター」シリーズの著者J.K.ローリングのペンネームだったことが発覚。ローリングの弁護士がうっかり奥さんの親友に話してしまい、その女性がツイートしたことで英米のアマゾンで一気に1位に躍り出ました。

ローリングが正体を隠して出版していた理由は、「過大な宣伝や期待をもたれずに書いて、ありのままの評価を受けてみたかった」から……。実際、正体がバレるまでの評価は相当高く、3ヵ月の間にハードカバー、デジタル版、オーディオ版合計で8500部が売れ(これは新人ミステリー作家としては上々)、テレビ出演のオファーも2件あったとのこと。それではなぜ男性のペンネームかといえば「自分から最も遠い作家像として書きたかった」から。最後に残る疑問はなぜ「ハリポタ」のようなファンタジー小説からミステリー小説へ?ということだと思いますが、ローリングは小さい頃から探偵小説が大好きだったそうです。

この突然の露見、当初はマーケティング上の戦略説も唱えられましたが、「売りたければ本名で書くわ」というご本人の説得力あふれるコメントの前に呆気なくねじ伏せられました。販売上の話題作りではない証拠はあと3つあります。実はローリングはこのガルブレイス名義で複数の出版社にこっそり原稿を送っていたのです。うち1社の勇気ある編集者は「私は出版を断ってしまったわ」と告白しています。2つ目は高名なミステリー作家たちが正体を知らずに推薦文を送っていること。最後は私自身の経験で、アメリカ版元の編集責任者と、イギリス・エージェントの版権マネジャーに直接尋ねる機会がありましたが、彼ら自身もまったく知らなかったと真顔で語っていたことです。(ところで私も告白しますが、私は正体が明らかになってからこの版権を買いました【笑】)。

シリーズ2作目THE SILKWORMもこの6月19日に英語圏で発売、来年弊社より『カイコの紡ぐ夢』(仮)として刊行が決定しています。“ホームレス”探偵と美人派遣秘書のこの魅力的なコンビの活躍がまた読めるなんて、楽しみで待ちきれません!

文芸局・山口和人