『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』
著者:J.K.ローリング
訳者:亀井よし子
定価:本体 各1,500円(税別)
一見のどかなイギリスの町パグフォード、ある男が40代の若さで亡くなった。その死をきっかけに立て続けに起こる事件の連鎖……。普通の人々の内面が次々と暴かれてゆき、次の場面がどうなるか気になって、読み出したら止まらない。小さな出来事が集まってやがて大きな流れとなり、最後は奔流となって、胸を締め付ける結末へ。強く、そして深く、あなたの心に届く──。「ハリー・ポッター」完結から5年、J.K.ローリング初の大人向け小説! 見事なストーリー展開と忘れがたい登場人物──今を生きる、私たちのための物語。
注:Casual Vacancyとは? 英語の慣用句。公的・私的な議会、委員会、集い等に、構成メンバーの突然の死亡、辞任、資格不備等によって思いがけなく空席が生じること。
「忘れがたく素晴らしい登場人物たち…鮮烈な読書体験。心の底から揺さぶられた」 エリザベス・グレイック/People magazine
「あまりにも面白くて止まらない」 マルコム・ジョーンズ/The Daily Beast
「ドンドン押しまくられるような読後感」 The Wall Street Journal
「心から感動した」 モニカ・ヘス/Washington Post
「現代の格差社会を鋭くえぐる悲喜劇。人はどのように生きてゆくべきかというテーマが非常に読みやすい物語で語られる」 エマ・リー‐ポッター/Daily Express
「『カジュアル・ベイカンシー』は実に魅力的で素晴らしい小説だ。我々の心をつかんで離さない……J.K.ローリングは本当に勇気のある作家だとみずから証明した」 ヘンリー・サットン/The Mirror
「これほどまでに鮮やかに登場人物たちを描き切ったローリングの手腕に驚嘆する」 クリストファー・ブルックマイヤー/Daily Telegraph
「胸が張り裂けそうな気持になる。もうこれ以上ページはめくれないとさえ思う。でも同時にやめるにやめられない」 ディープティ・ハジェラ/Associated Press
「この上なく素晴らしい小説だ……これは本物だ。著者名がJ.K.ローリングでなかったとしても私は意見を変えない」 デイヴィッド・ロビンスン/Scotsman
「チャールズ・ディケンズのよき伝統が、J.K.ローリングの手で蘇った」 エリカ・ワグナー/The Times
「野心的でまばゆいばかり。神をも懼れぬ、人の心をかき乱すような大長編。小説とはそもそもこういうものだ。ウソやインチキなど微塵もない。人間とは何か、小説とは何かを知り尽くした者のみが書ける深い感動を呼ぶ物語」 レヴ・グロスマン/Time Magazine
J.K.ローリングは、1997年から2007年にわたって出版された「ハリー・ポッター」シリーズ全7巻の著者。全世界74ヵ国語に翻訳され、200以上の国々で総計4億5千万冊以上を売り上げる。映画は8本制作されいずれも大ヒットを記録。J.K.ローリングは、児童文学への貢献により大英帝国勲章、オウスチュリア王子勲章、レジオンドヌール、アンデルセン賞など数々の受賞歴がある。また、恵まれない子どもたちのため多くのチャリティ団体を支援している。
この小説を翻訳してみて、素晴らしいところがたくさんありました。まず群像劇で登場人物が少なくないのですが、導入部からわかりやすい書き方でくっきりした人物像を描き、物語に入り込みやすい点。次にイギリスの小さな町の住人を描いていますが、親子関係、夫婦関係、男女関係、家庭、学校、社会など、いま世界中の人々の日々の生活そのものがテーマになっていて、誰もが自分に引きつけて読めること。最後に、落涙必至のとても感動的な物語であるということ。そして登場人物たちの苛酷な運命の中にも、希望の萌芽が3つも4つもほの見えること。その希望のともしびが何であるかは、ぜひご自分の目で確かめてみてください。J.K.ローリングはやはりさすがでした。