バラエティー番組の放送作家・三村修治は、余命6ヵ月を宣告された。 22年間、番組の企画を考え続けた男が思いついたのは、自分に代わって妻子を 支えてくれる人を探すことだった。 「そうだ。妻に代わって婚活をしよう!」 芸人、AD、リサーチャーからアナウンサーまで、共に過ごした仲間たちの助けを借りて、三村修治はひたすら奔る!
『ボクの妻と結婚してください。』
著者:樋口卓治
定価:本体1,200円(税別)
はじめまして。「ボクの妻と結婚してください。」を書きました樋口卓治です。
「世の中の出来事を好奇心で“楽しい”に変換する」
それが放送作家の仕事だと先人たちに教えられ、これまでいくつかの番組を作ってきました。
芸人は“笑い”に、料理人は“美味しい”に変換して誰かを笑顔にする。
どんな仕事にも、そんな変換があると思います。
今回、小説の中で“楽しい”に変換するという仕事を余命6ヵ月の放送作家・三村修治に託すことにしました。
余命を楽しいに変換する。修治はこの命題を必死で考えます。
そして、残りの人生で、なんと妻の結婚相手を探すことにします。
突拍子もない企画です。かなりの難題です。
修治は、バラエティ番組作りで学んだ、制作者たちのガッツと精神を胸に奔走します。「お茶の間に笑顔を届ける仕事」だから「自分が死んだあとも、家族に笑顔を届けたい」そう思い頑張ります。
そして、妻の結婚探しの中で、自分がこれまで頑張ってこられたのは、妻のお陰だということに気づいていきます。
「妻は節目節目で自分を笑って行きていける人生に導いてくれる」
「心の荷物にそっと手を添えてくれる人です。そして、何よりも人の夢をバカにしたりしない人です」(文中より)
また、妻の彩子は修治を心から愛しています。
毎日忙しい修治が、いつも笑顔でいる姿を尊敬しています。
この夫婦は、どんな夫婦にも負けない絆で結ばれています。
そんな修治の最後の企画は妻に届くのか?
本作は小説ではありますが、バラエティ番組を見るようなワクワクした気持ちで読んでいただきたいです。
そして、読み終わったあと、楽しい番組を思いっきり堪能したときのような気分になっていただけたら幸いです。