講談社BOOK倶楽部

真夜中の探偵 闇の喇叭 有栖川有栖

有栖川有栖の新シリーズがついに始動!

真夜中の探偵

表紙
『真夜中の探偵』
著者:有栖川有栖
定価:本体1,600円(税別)

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密閉された「水の棺」で元探偵が溺死!
両親の跡を継ぎ、探偵になると固く心に誓った純の推理!少女探偵・ソラ、第一の事件!

平世(へいせい)22年──すべての探偵行為が禁止された日本。空閑純(そらしず・じゅん)は、17歳。両親ともに有名な探偵だが、母の朱鷺子(ときこ)は4年前から行方不明。父の誠(まこと)は昨年、警察類似行為で逮捕され、収監されている。純は伯父の住む大阪で一人暮らしをはじめる。母の行方の手がかりを探すなか、父母に仕事を仲介していた押井照雅(おしいてるまさ)という人物と会える機会が訪れる。数日後、押井の別邸で水に満たされた木箱に入った溺死体が発見された。被害者は元探偵で〈金魚〉と呼ばれていた男だった。容疑者リストに入った純は、自ら「水の棺」の謎を解くために調査をはじめる。純は探偵としての一歩を踏み出せるのか?


闇の喇叭

探偵行為が禁止された国で殺人事件に挑むこと──それが女子高生・純の宿命だった。少女探偵・ソラ、誕生前夜。

大東亜戦争後、日本は南北に分断され、北海道は<日ノ本共和国>として独立。
日本国内では北のスパイが暗躍し、政府は警戒を強めていた。
――そして平世21年。私的探偵行為を禁止する法律が成立し、探偵狩りが行われている現代。少女・空閑純(そらしず・じゅん)は、かつて名探偵として名を馳せた両親に育てられたが、母親はある事件を追う最中に行方不明となっていた……。母の出身地である奧多岐野(おくたきの)に父とともに移住し、帰りを待っていた純だったが、そこで発見された身元不明の他殺死体が、父子の日常を破壊する!
存在意義を否定された探偵に謎が牙を剥くとき、新たな物語が動き出す!!

表紙

『闇の喇叭』
著者:有栖川有栖
定価:本体1,600円(税別)

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著者コメント

新しいシリーズ、始めました。
『闇の喇叭』は、ヤングアダルト向けレーベル〈ミステリーYA!〉の1冊として去年の6月に発表したものです。解決しない大きな問題を残しながら終わるのですが、「これも小説の一つの終わり方」と思っていました。
が、しかし、17歳のヒロイン、ソラこと空閑純のことが気になって、「あの後、どうなったんだろう?」「今はどうしている?」と考えているうちに、彼女の声が聞こえてくるようになりました。
わたしのことを書いて。
登場人物にそんなことを言われたのは、生まれて初めてです。どんな小説にしたらいいのかわからないまま、担当編集者だったMさんに「続きが書きたい」と伝え、理論社の了解も得たのですが――。
理論社側にそれが不可能になる事情が生じてしまいます。がっくりきましたが、講談社から発表の場を与えられることになり、感謝するとともに、作家デビューの直後からお世話になっているホームグラウンドで新シリーズを始められることを喜んでいます。
そうして書き上げたのが『真夜中の探偵』です。物語は、まだ始まったばかり。純‐ソラの前には、まだ長く険しい道が伸びています。
わたしのことを書いて。
もう彼女はそんなことを言いません。わたしが書くことがわかったからでしょう。
内容についてはここでは触れませんが、「どんな小説だろう?」と手に取ってみてください。
作家としてのわたしが今いるところは、「ここ」です。

著者プロフィール

著者近影

有栖川有栖(ありすがわありす)

1959年大阪市生まれ。
同志社大学法学部卒業。
在学中は同大推理小説研究会に所属。
’89年に『月光ゲーム』で鮮烈なデビューを飾り、以降「新本格」ミステリムーブメントの最前線を走りつづけている。
’03年、「マレー鉄道の謎」(講談社ノベルス)で第56回日本推理作家協会賞、’08年に『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞を受賞。本格ミステリ作家クラブ初代会長。