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天翔る 村山由佳

天翔る 村山由佳

STORY

父一人子一人で暮らす11歳の少女、まりも。ある出来事をきっかけに学校へ通うことができなくなる。 札幌に住む看護師の貴子。子どものころに負った心の傷のため男性が怖く、恋愛をすることができない。 ふとしたことから、まりもと知り合った貴子は、自分が通う牧場(ランチ)へとまりもを誘う。 そこで待ち受けていたのは風変わりな牧場主と、乗馬耐久競技・エンデュランスという未知の世界だった――。
一人の少女を通して、喪失を抱えた男女が生きることと向き合う姿をあざやかに描き、深い感動を呼ぶ傑作長編小説!

エンデュランスとは

野山にめぐらされたルートを馬でたどり、ゴールまでのタイムを競う乗馬耐久レース。
途中で何回も行われる獣医検査で馬の健康状態がチェックされ、状態が悪ければ失権になる。
どうしたら馬に過剰な負担をかけずに走れるか、乗り方を考え戦略を練るところに大きな特徴がある。
馬への思いやり、馬との信頼関係が試される競技。

表紙

『天翔る』
著者:村山由佳
定価:本体1,600円(税別)

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著者メッセージ

読者モニターから反響続々!

村山さんの本を久々に読みましたが、やっぱり優しい。柔らかくて、優しくて、強くて、美しい。そんな物語だと思いました。(長野県・10代・女性)

ページをめくる手が止まらず、一気読みしました。自信をもって友達に薦められる本。本当に面白かった。(北海道・20代・女性)

登場人物のストレートさに引き込まれてしまい、電車の中にもかかわらず途中で何度も涙腺がゆるんできました。(大阪府・30代・男性)

貴子と志渡の、深い想いを共有しあっているのにもう一歩近づけないような関係は見ていてもどかしかったです。あの二人には幸せになってもらいたい。ラストシーンには胸が打ち震えました。(愛知県・20代・男性)

読み終わったあと、気持ちの良い爽快感がありました。この本には、ノートに書き留めて、大切にとっておきたい言葉があります。(岡山県・30代・女性)

こんなにも読み始めから心が震え、感情が抑えられなかった本ははじめてです。一人では乗り越えられない痛みも、互いに支えになり想い合うことで、立ち向かい乗り越えられる!と、とても希望が持てるエンディングでした。(広島県・20代・女性)

読み終えてしまうのが惜しい、どこまでも読み続けたいと思わせてくれる作品。そして馬の背の上からの眺めを見てみたい、そんな気持ちにさせてくれるすばらしい物語であった。(東京都・40代・男性)

人馬一体ならぬ、本と読者が一体になれるお話でした。まりもが初めて馬を見たシーン。そして競技の途中で見上げた夜空をきっと私は忘れることができないと思います。(大阪府・30代・女性)

馬に対する関心・知識が乏しかった私でも、手に汗握って前のめりになりながら、まりもを応援すべく読み進めました。神様を信じられなくなり恨んでいた少女が辿り着いた境地を目にしたとき、本当にこの本に出会えてよかったと心から思いました。(東京都・20代・男性)

志渡は理想の大人の姿。まりもに対して、決まりを守るのは女だろうが子供だろうが関係ない。でも一度場を離れたら友達だ、という場面。いつか自分もこんな言葉を言えたらと思う。(千葉県・10代・男性)

本当に想像以上でした。最近、ちょっと違った世界へいっていた村山さんが、再び元の場所へ戻ってきたようです。しかもパワーアップして。(静岡県・30代・女性)

村山さんの作品のなかでも、最高に感動しました。私自身と重なる部分が多く涙が出ました。(新潟県・30代・女性)

160キロもの道のりを馬と行くことはわたしたちの人生そのものだと思う。晴れる日もあれば、吹雪くこともある。励ましてくれる仲間がいるからこそ頑張れる。(東京都・30代・男性)

ほんのちょっとの希望のために泣いたり笑ったりもがいたりする自分の人生。それで良いのだと思わせてくれた本書にありがとうといいたいです。(大分県・40代・女性)


村山由佳(むらやま・ゆか)

1964年、東京都生まれ。立教大学文学部卒業。
1993年「天使の卵 エンジェルス・エッグ」で小説すばる新人賞を受賞。 2003年『星々の舟』で直木賞を受賞、2009年には『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、島清恋愛文学賞の三賞を受賞し大きな話題を呼んだ。 著書に『すべての雲は銀の…』、『天使の梯子』、『遙かなる水の音』、『放蕩記』、『ダンス・ウィズ・ドラゴン』、「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズなど多数。