『赤目姫の潮解』森博嗣
「貴方は、何をなしたのですか?」
森博嗣 知的エンターテインメントの傑作
白い肌、黒い髪、赤い唇を持った聡明で高貴な美女、赤目姫。
彼女が旅する世界、彼女が眼にするもの、出会う人たち。
幻想的で知的な長編エンターテインメント小説。
この世で得たデータを無にするというのは、
胎児に戻るようなものだろう。
その感性あるいは心境に擬似的にであれなりうる者が、
私が考える天才である。(中略)
自らの理解の蓄積を瞬時に捨て去ることができるからこそ、
どんな新たな理解も容易に展開することができる。
──本文より
『赤目姫の潮解』
著者:森博嗣
定価:本体1,700円(税別)
森 博嗣(もり・ひろし)
1957年12月7日愛知県生まれ。工学博士。1996年『すべてがFになる』で第一回メフィスト賞を受賞しデビュー。以後、犀川助教授・西之園萌絵のS&Mシリーズ、瀬在丸紅子たちのVシリーズ、『φは壊れたね』から始まるGシリーズほか数多くのミステリィ作品を執筆、人気を博している。
この小説は、僕自身が好きなタイプのものです。少なくとも自分の好みに近いものを作ってみました。自分に近いものは、書くのに時間がかかります。実際に、ほかの多くの作品よりも、2倍は執筆時間をかけたと思います。だからといって、みなさんがどう感じるか、ということとは別問題ですし、また、作者のこのコメントも、作品とはあまり関係がないでしょう。──森 博嗣