最近、Twitterを通して、多くの方からメッセージや質問、悩みなどが寄せられます。
「乙武さんがうらやましいです」
「乙武さんのように生きるには、どうしたらいいですか?」
はじめは面食らいました。僕は生まれつき両手両足のない、重度の身体障害者。これまでなら、「かわいそうに」と上から目線を向けられてもおかしくない存在である僕のことを、けっして少なくない人々が、「うらやましい」と思っているようなのです。
「みんな、生きづらいんだな……」
そんなことを感じずにはいられません。さらにフォロワーのみなさんとやりとりを続けていると、その生きづらさの原因が「自己肯定感のなさ」にあることが透けて見えてきました。
なるほど、そういうことか──。
なぜ、両手両足のない僕が、自己肯定感に満ちあふれているのか。自己肯定感とは、どのようにして育まれていくのか。「自分を愛するためのコツ」を目いっぱい詰めこんでおきました。どうぞ、ご賞味あれ!
対談:乙武洋匡×泉谷閑示(精神科医)
自己肯定感とは「健全な自己愛」/まやかしの言葉「あなたのためを思って!」/失敗を極度に恐れる「ムラ社会」/「小径」に迷い込んでしまった人たち/「新型うつ」は遅い反抗期/自分の価値観で生きていける人間
1976年、東京都生まれ。大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)がベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、東京都新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」、杉並区立杉並第四小学校教諭を歴任、教育への造詣を深める。教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』(講談社文庫)が映画化され、自身も出演(2013年3月、東宝系で公開)。続編小説『ありがとう3組』(講談社)も刊行された。
おもな著書に『だから、僕は学校へ行く!』(講談社文庫)、『オトことば。』(文藝春秋)、『オトタケ先生の3つの授業』(講談社)、『だからこそできること』(武田双雲氏との共著、主婦の友社)がある。また、ツイッターを通じて発信する力強いメッセージが注目を集めている。都内で、地域との結びつきを重視する「まちの保育園」の運営に携わるほか、2013年3月には東京都教育委員に就任。