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講談社現代新書『自分を愛する力』 乙武洋匡

講談社現代新書『自分を愛する力』乙武洋匡

僕が明るく生きられる理由。「自己肯定感」とはどのように育まれるのか。『五体不満足』著者 初の新書!立ち読みもできます!

 最近、Twitterを通して、多くの方からメッセージや質問、悩みなどが寄せられます。
「乙武さんがうらやましいです」
「乙武さんのように生きるには、どうしたらいいですか?」
 はじめは面食らいました。僕は生まれつき両手両足のない、重度の身体障害者。これまでなら、「かわいそうに」と上から目線を向けられてもおかしくない存在である僕のことを、けっして少なくない人々が、「うらやましい」と思っているようなのです。
「みんな、生きづらいんだな……」
 そんなことを感じずにはいられません。さらにフォロワーのみなさんとやりとりを続けていると、その生きづらさの原因が「自己肯定感のなさ」にあることが透けて見えてきました。
なるほど、そういうことか──。

たしかに僕には手も足もありませんが、自己肯定感なら売るほどあります。
そこで……売ることにしました!

なぜ、両手両足のない僕が、自己肯定感に満ちあふれているのか。自己肯定感とは、どのようにして育まれていくのか。「自分を愛するためのコツ」を目いっぱい詰めこんでおきました。どうぞ、ご賞味あれ!

乙武洋匡

目次
  • はじめに
  • 第一章 息子として
    「かわいい」/“応援団”結成/パイプ椅子と文庫本/母の悩み/最優秀助演男優賞/アヒルばかりの通知表/転勤拒否/紙おむつが起こした奇跡/父の“遺言”/「ほめる育児」の原点/モノサシを捨てよう/親鳥のやさしさ/車いす禁止令/地獄の特訓/魔法のルール/マグマの噴火/相談しないのは信頼の証/結婚の条件/「不幸」の烙印を押さないで
  • 第二章 教師として
    スポーツから教育へ/会議室じゃない/「トイレに行っていいですか?」/憲法“第十八条”/個人面談で得たヒント/黒いチューリップ/涙のリレー/砂まみれの体操服/1/2成人式/ストライクゾーンを広げよう/発達障害の子どもたち/赤、白、紺、青……/みんなちがって、みんないい/二十三色の色えんぴつ
  • 第三章 父親として
    二匹の怪獣たち/第一子誕生/形勢逆転/子守唄は『六甲おろし』/扇風機事件/妻の言葉と茜空/パンツをずりっ!/キケンな落とし穴/「今日も大好きだよ」/幻のウエディングドレス/幸せのカタチ/いやなきもちになる/ありのままの子どもを受けいれる
  • 自分を愛せない人への処方箋

    対談:乙武洋匡×泉谷閑示(精神科医)

    自己肯定感とは「健全な自己愛」/まやかしの言葉「あなたのためを思って!」/失敗を極度に恐れる「ムラ社会」/「小径」に迷い込んでしまった人たち/「新型うつ」は遅い反抗期/自分の価値観で生きていける人間
  • おわりに
自分を愛する力

なぜ僕は生まれつき手足がないという障害を受けいれ、苦しむことなく、明るく生きてくることができたのか──。乙武さんがたどりついたのが「自己肯定感」という言葉。「自分は大切な存在だ」と思う、この「自分を愛する力」について、息子として両親の愛に満ちた子育てを振り返り、教師として現代の親子が抱える問題を見つめ、父親として自らの子育てを初めて明かしながら考察していく。『五体不満足』著者による初の新書。

試し読みPDF:152KB

『自分を愛する力』
著者:乙武洋匡/定価:本体760円(税別)
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著者プロフィール:乙武洋匡

1976年、東京都生まれ。大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)がベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、東京都新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」、杉並区立杉並第四小学校教諭を歴任、教育への造詣を深める。教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』(講談社文庫)が映画化され、自身も出演(2013年3月、東宝系で公開)。続編小説『ありがとう3組』(講談社)も刊行された。
おもな著書に『だから、僕は学校へ行く!』(講談社文庫)、『オトことば。』(文藝春秋)、『オトタケ先生の3つの授業』(講談社)、『だからこそできること』(武田双雲氏との共著、主婦の友社)がある。また、ツイッターを通じて発信する力強いメッセージが注目を集めている。都内で、地域との結びつきを重視する「まちの保育園」の運営に携わるほか、2013年3月には東京都教育委員に就任。