講談社BOOK倶楽部

きょうの料理 七十二侯 小山薫堂

『きょうの料理 七十二候』監修:小山薫堂

日本の季節を72分割した「七十二候」にふさわしい料理紹介と番組や講師の「秘」エピソード、旬の食材のお話を凝縮した現代日本の食卓の歳時記!

日々の食卓を代表する365日それぞれの料理をNHKの国民的番組『きょうの料理』の半世紀の歴史、40000点以上のメニューから“カリスマ”小山薫堂が厳選しました。

『きょうの料理 七十二候』
監修:小山薫堂
定価:本体 1,800円(税別)

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「きょうの料理」とは、いまさら紹介するまでもなく、NHKで昭和32年から放送され続ける料理番組の大定番です。本書ではその貴重なアーカイブを紐解き、いまもっとも注目されるプロデューサー・小山薫堂の手によって、番組の集大成を一冊にまとめました。その指針となるのは七十二候です。七十二候とは、立春、夏至、秋分、冬至など、四季を24にわけた「二十四節気」をさらに3つにわけた旧暦の基本単位です。季節を約5日ごとに表すため、より繊細に季節の変化を感じることができるのです。
「今日は何を食べようか?」「今日は何を作ろうか?」──国民的料理番組「きょうの料理」に登場した数々のメニューは、いわば日本の食卓のふるさとです。この本によってたどり着いた皆さんの今日の食卓を、より幸せなひとときへと誘う一冊です。

「講師名索引」PDF340KB

七十二侯

七十二候とは、もとは中国で用いられていた暦で、1年間を72に分割したものです。
1年間を24に分割した二十四節気をさらに初侯、次候、末候に分けたもので、ひとつの候はおよそ5日間となり、天気や動植物の生態の微妙な変化が感じられます。四季折々の風景が美しい日本にふさわしい暦で昨今、注目を集めています。
1年間は365日で、きっちりと72に分けられるわけではなく、4日や6日の日もあり、また年によってその日付が微妙に移り変わります。そうした繊細な暦ということも、失われつつある日本の原風景を懐かしむ人々に愛されている要因なのかもしれません。

きょうの料理 七十二侯 小山薫堂
1月〜3月
  • 1月1〜5日 冬至

    ゆきわたりて むぎいずる

    「雪下出麦」試し読みPDF
  • 1月6〜10日 小寒

    せり すなわちさかう

  • 1月11〜15日 小寒

    しみず あたたかをふくむ

  • 1月16〜20日 小寒

    きじ はじめてなく

  • 1月21〜24日 大寒

    ふきのはな さく

  • 1月25〜29日 大寒

    さわみず こおりつめる

  • 1月30日〜2月3日 大寒

    にわとり はじめてとやにつく

  • 2月4〜8日 立春

    はるかぜ こおりをとく

  • 2月9〜13日 立春

    うぐいす なく

  • 2月14〜18日 立春

    うお こおりをいずる

  • 2月19〜23日 雨水

    つちのしょう うるおいおこる

  • 2月24〜28日 雨水

    かすみ はじめてたなびく

  • 3月1〜4日 雨水

    そうもく めばえいずる

  • 3月5〜9日 啓蟄

    すごもりむし とをひらく

  • 3月10〜14日 啓蟄

    もも はじめてさく

  • 3月15〜19日 啓蟄

    なむし ちょうとなる

  • 3月20〜24日 春分

    すずめ はじめてすくう

  • 3月25〜29日 春分

    さくら はじめてひらく

  • 3月30日〜4月3日 春分

    かみなり すなわちこえをはっす

1月〜3月
4月〜6月
  • 4月4〜8日 清明

    つばめ きたる

  • 4月9〜13日 清明

    こうがん かえる

  • 4月14〜19日 清明

    にじ はじめてあらわる

  • 4月20〜24日 穀雨

    あし はじめてしょうず

  • 4月25〜29日 穀雨

    しもやんで なえいずる

  • 4月30日〜5月4日 穀雨

    ぼたん はなさく

  • 5月5〜9日 立夏

    かわず はじめてなく

  • 5月10〜14日 立夏

    みみず いずる

  • 5月15〜20日 立夏

    たけのこ しょうず

  • 5月21〜25日 小満

    かいこおきて くわをはむ

  • 5月26〜30日 小満

    べにばな さく

  • 5月31日〜6月4日 小満

    むぎのとき いたる

  • 6月5〜9日 芒種

    かまきり しょうず

  • 6月10〜15日 芒種

    くされたるくさ ほたるとなる

  • 6月16〜20日 芒種

    うめのみ きばむ

  • 6月21〜25日 夏至

    なつかれくさ かるる

  • 6月26〜30日 夏至

    あやめ はなさく

4月〜6月
7月〜9月
  • 7月1〜6日 夏至

    はんげ しょうず

  • 7月7〜11日 小暑

    あつかぜ いたる

  • 7月12〜16日 小暑

    はす はじめてひらく

  • 7月17〜21日 小暑

    たか すなわちわざをなす

  • 7月22〜27日 大暑

    きり はじめてはなをむすぶ

  • 7月28日〜8月1日 大暑

    つち うるおうてむしあつし

  • 8月2〜6日 大暑

    たいう ときどきにふる

  • 8月7〜11日 立秋

    すずかぜ いたる

  • 8月12〜16日 立秋

    ひぐらし なく

  • 8月17〜22日 立秋

    ふかききり まとう

  • 8月23〜27日 処暑

    わたのはなしべ ひらく

  • 8月28日〜9月1日 処暑

    てんち はじめてさむし

  • 9月2〜6日 処暑

    こくもの すなわちみのる

  • 9月7〜11日 白露

    くさのつゆ しろし

  • 9月12〜16日 白露

    せきれい なく

  • 9月17〜21日 白露

    つばめ さる

  • 9月22〜27日 秋分

    かみなり すなわちこえをおさむ

  • 9月28日〜10月2日 秋分

    むし かくれてとをふさぐ

7月〜9月
10月〜12月
  • 10月3〜7日 秋分

    みず はじめてかる

  • 10月8〜12日 寒露

    こうがん きたる

  • 10月13〜17日 寒露

    きくのはな ひらく

  • 10月18〜22日 寒露

    きりぎりす とにあり

  • 10月23〜27日 霜降

    しも はじめてふる

  • 10月28日〜11月1日 霜降

    こさめ ときどきふる

  • 11月2〜6日 霜降

    もみじつた きばむ

  • 11月7〜11日 立冬

    つばき はじめてひらく

  • 11月12〜16日 立冬

    ち はじめてこおる

  • 11月17〜21日 立冬

    きんせんか さく

  • 11月22〜26日 小雪

    にじ かくれてみえず

  • 11月27日〜12月1日 小雪

    きたかぜ このはをはらう

  • 12月2〜6日 小雪

    たちばな はじめてきばむ

  • 12月7〜11日 大雪

    そらさむく ふゆとなる

  • 12月12〜16日 大雪

    くま あなにこもる

  • 12月17〜21日 大雪

    さけのうお むらがる

  • 12月22〜26日 冬至

    なつかれくさ しょうず

  • 12月27〜31日 冬至

    さわしかのつの おつる

10月〜12月

著者メッセージ「食卓のふるさと」

 人を良くする、と書いて食…。
 食という漢字の成り立ちについては諸説ありますが、僕はこの人を良くするという解釈が一番好きです。食べることで人は生きているわけですから、何を食べるか、どういう気分で食べるか、誰と食べるかなど、その食べ方次第で体調や体質、さらには性格さえも変わってくると思うのです。ですから私たちは日々の一食一食にもっと気を遣い、食べるという行為を大切にしなければいけません。単においしいものを求めるのではなく、大好物ばかりを食べるのでもなく、それを食べることの意味を考える必要があります。(ということに、これまで暴飲暴食を重ねてきた自分は、五十才を目前にしてようやく気づきました)
 では、食生活を少しでも豊かにしたいと思うなら、果たして何をその道標にすれば良いのでしょうか? その答えを探しているうちに、この企画に辿り着きました。
 今日のように情報が手に入らなかった時代、日本人は季節と上手に付き合いながら暮らしていました。自然に寄り添い、風土の恵みに感謝をしながら生きていました。中国で考案された二十四節気や七十二候をすぐに受け入れることができたのもそのためでしょう。特に七十二候は、江戸時代に日本用に改訂されたことで、私たちがより実感できるものになっています。それらの言葉選びの何と素敵なこと! 数字だけの暦よりも、読んで心に響きます。そしてそこに食を照らし合わせるという喜び。
 日本人のDNAに記憶されている“季節感”という財産を道標として、美味しいを探す旅に出かける…つまりこの本は、豊かな食卓を目指す人々の最良の地図になれば、という想いで編集したものです。
 その主役となるのは、NHKの国民的料理番組「きょうの料理」で生まれた素晴らしい料理レシピたち。56年という時間の中で1700人の料理人が考案した4 万以上の料理レシピの中から、厳選に厳選を重ねて72品を選びました。  人類が共有すべき普遍的な価値のあるものを世界遺産に認定するように、我々の暮らしに必要なメディアコンテンツを情報遺産と呼ぶなら、「きょうの料理」は真っ先に登録しなければいけないテレビ番組です。その歴史を紐解くことで、日本人の食の変遷を伺い知ることができます。

小山薫堂

監修:小山薫堂

放送作家・脚本家。
1964年熊本県天草市に生まれる。
日本大学藝術学部放送学科在籍中に放送作家として活動を開始。これまで「カノッサの屈辱」「料理の鉄人」「東京ワンダーホテル」「ニューデザインパラダイス」など斬新な番組を数多く企画・構成した。初の映画脚本となる「おくりびと」では、第60回読売文学賞戯曲・シナリオ部門賞、第32回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第81回米アカデミー賞外国語部門賞を受賞した。他、第80回NHK全国学校音楽コンクール小学校の部・課題曲「ふるさと」の作詞を手がけるなど、活動は多岐に渡る。